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2019年11月12日 (火)

会いに行く、それ、振り返る②:第2回日野台高校演劇部(後編)

※「課題戯曲に挑戦!団体参加」出演団体紹介記事です。
 

<お知らせ>

八王子学生演劇祭2019は、2019年12月21日、22日の2日間、八王子市のいちょうホール(小ホール)で行われます。

詳細はこちら

 

八王子学生演劇祭2019

制作・広報の荻山です。

 

 

「会いに行く、それ、振り返る」シリーズ、第2回後編です!

前編は、こちら。

 

 

【会いに行く、それ、振り返るとは 】

ディレクターの中込遊里さんと、制作・広報の荻山で「課題戯曲に挑戦!団体参加」の出演団体に会いに行き、作品について一緒に話をしました。後日、許可を得て録音した音声データを聞きながら、その団体の良さ、個性について語り合うシリーズです。

  

 

【今回会いに行った人】 

東京都立日野台高校演劇部のみなさん

 

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【団体紹介】

東京都立日野台高等学校 演劇部

昨年に続いて2度目の出演。「引きこもりというテーマは高校生として身近な題材でありながら難しさもある」「深刻な登美男の状況と、闘いをショーとして見せるプロレスのあり方を重ねて、コメディとして描きたい」という発想から、丁寧な創作にチャレンジします。

 

【演劇祭で挑む作品の紹介】

「ヒッキー・カンクーントルネード」作:岩井秀人

「引きこもり」のプロレス好きの青年・森田登美男とその家族の奮闘をコメディタッチで描く。登美男の母は、息子を心配して、ある日カウンセラーの「出張お兄さん」を連れてくるが…。2013年「ある女」で第57回岸田國士戯曲賞を受賞。人気劇団ハイバイの劇作家・演出家である岩井秀人氏の初期の作品であり、その後、何度も再演を重ねている名作です。

詳細はこちら

 

 

【中込さん、荻山との関係】

日野台高校演劇部のみなさんは、中込さんが運営をしている「たちかわシェイクスピアプロジェクト」の過去の参加者。また、中込さんは、日野台高校演劇部の外部指導員。日野台高校演劇部は、八王子学生演劇祭2018参加団体。

 

  

 

このブログの登場人物 ※登場順】

ちゃんちー:「ヒッキー・カンクーントルネード(以下、ヒッキー)」では黒木役を担当。2年生。黒木に共感できるというが、登美男について言いたいことがあるらしい…

ふくだ:「ヒッキー」では圭一役を担当。2年生。演劇部の父親のような存在。

ともや:「ヒッキー」の演出を担当。1年生。突然の部長の指名により、今回はじめて演出を手がける。

みく:「ヒッキー」では照明を担当。演劇部部長 2年生。圧倒的献身性で部を支える。

はるか:「ヒッキー」では綾(妹)役を担当。2年生。一人っ子だから自分の役には共感できずにいる。

まつもと:「ヒッキー」では登美男を担当。登美男役の暗さは、自分とは違うと語る。

れいとん:「ヒッキー」では美術を担当。2年生。兄と妹の関係について、物申したいことがあるらしい。

はっしー:「ヒッキー」では母役を担当。1年生。母の役には困惑している様子。

まなてぃ:「ヒッキー」では美術を担当。2年生。演劇部の母親のような存在。

 

 

荻山:というわけで、前回の続きです。

 


 

<録音データ抜粋>

ちゃんちー:私は不登校になったことはあるんで、すごい登美男の気持ちがわかって、ちょー戯曲を読むのがつらかった。だから、登美男がどう考えているんだろうな、ということをみんなで共有したい。この作品については、そのことをみんなで考えられたらなって思いました。

中込:突然だけど、私も、不登校だった時があったよ。突然いうけど。

荻山:何歳くらいのときですか?

中込:中3と高3のとき。でも引きこもりって感じではなかったかな。塾には行っていたし。

荻山:受験前の大変な時期ですね。引きこもっている間は、気持ち的には安らぐんですか?

ちゃんちー:あー。って。引きこもることは悪いことだって。良くない、みたいなことを思って。でも、そこにしか居場所がないから、そこに居ちゃって。自分にも、他人にもむかついちゃって。

中込:なるほどね、自分でもわかっているからね。

ちゃんちー:うんうん。

荻山:これ、この戯曲のラストって、登美男は外に出られたと思う?

ちゃんちー:私の見解でいいですか?

荻山:うん。もちろん。

ちゃんちー:出られると思う。いつの間にか、大丈夫になっている。他の人の目が、気にならなくなっていた、みたいなことって、すごくよくわかるなって。断固として外に出たくないわけじゃなくて、出られたら、ああ、出られた、という感じで。私は。登美男にはプロレスって好きなものがあるわけで、それがあるんであれば、私が登美男だったら、外に出られたと思う。

中込:そのことはすごく大きなことだから、作品をつくりながら、何回も何回も考えたほうがいい。最終的には、そこはお客さんにゆだねよう、となるかもしれないし。それは、私がみなさんに期待すること、の話になっちゃうんだけど、最後のシーンまでをしっかり、すごくしっかりつくっていたら、最後は普通に自然に演じられれば、みんなの狙い通りになると思う。登美男が家から出られる、出られない、お客さんの想像にまかせる、そのどのような結末を狙いにすることに決めても、丁寧なセリフを交わすこと。ちゃんと会話や関係性を積み重ねていくこと。相手の役の話を聞くこと。自分で発信するんじゃなく、相手のセリフを受けて、それに対する答えとして自分のセリフを言えるかどうか。ということを追求していけば、自然とみんながこうしたい、と決めたラストにたどり着ける。小道具を増やしてみよう、とか、上辺のことをこだわりたくなるけど、そこをぐっとこらえて。演技を助けるためのしかけづくり、それを考えていくといいと思う。期待しています。

 

荻山:丁寧なセリフを交わす、ちゃんと会話を積み重ねる、ですね。

中込:そうです。それは大切。

  


 

<録音データ抜粋>

中込:じゃあ、圭一役のふくだくんは?

  

ふくだ:(圭一役、2年生)もう、忘れているかと思いました。

中込:忘れないよ。

  

みな笑う。

   

ふくだ:圭一はすごく一般人にみえるじゃないですか。最初は。でも、飛びこもり(過剰にその場に適応する性質)をしているだけで、すごい。自分の性質にひっぱられながら、その場その場の雰囲気にあわせた人柄にかわっていくのが面白いなって。でもなんで適応しようとしちゃうんだろう。それを考えてみたいな。

中込:うんうん。

ふくだ:あと、この戯曲は、語尾とか以外は基本的に言葉を変えずに上演すること、という指定が入っているじゃないですか。けど、会話のなかで、すごく気持ちわるい言い回しとかもあって。でも日常会話ってこうだよなって。どもったり。すごい会話のうまい戯曲だなって。なんでこんな会話になるのか、こんな人柄になっているのか考えてみたいなと。

中込:すごい。優等生みたい。

荻山:的確な回答ですね。

ふくだ:えー、なんですか。えー。

   

みな笑う

   

   

中込:じゃあ、これで全員かな。

荻山:そんな、みんなの話を聞いて、演出のともやくんとしては、どう?

ともや:え?(固まる)

  

がんばれ。と、応援の声があがる。

  

ともや:配役を決めるときに、この役はこの人が「合う」から、この人にしたい、って最初に案をだしたんです。そうしたら、「合う」ってことを軸に選ぶと、いつも同じような役ばかりなる。という意見もあって。そこからまた配役を考え直して。

荻山:うんうん。

ともや:でも、今、自分の配役に共感できないっていう人がいて。前の自分なら、そのことに、「ああ、どうしよう」、ってなっていたけど、今回は、割とそれでいいのかなって。

中込:キャスティングはともやくんがしたの?

ふくだ:こうしてほしいというベースの意見が上の方からふってきたよね、確か。

中込:上の方(笑)

ふくだ:上の方(笑)、で、その中で、ともやくんと相談しながら決めていきました。

みく:上の方なんてありません。ともやくんが決めました。

  

一同、笑う。

  

中込:つまりは、いまの話を聞いて、ともやくん的には、配役について安心できたということ?

ともや:です!

中込:なによりなにより。全員ではないけど、自分と近い役じゃない、いつもとは違う配役ができたことが最終的にはよかったってことか。

 

  

荻山:かなり話しましたね。

中込:そうですね。

荻山:あと、どこか気になった会話ありますか。

中込:登美男役のまつもとくんが、「いつも役が生活に浸食してくるから、3カ月後にはひきこもりになっているだろう。」って言っていたの、面白かったです。

荻山:みんな、「部活には来てね。」って言っていましたね。

中込:あと、ここだけ、最後書きましょう。兄と妹の話。

  

 


 

<録音データ抜粋>

はるか:なんか、綾と私は全然意見が違うんですけど、兄と妹の関係ってこんな感じなんだなって。

中込:私も一人っ子。いっしょ。男女の兄弟って、愛情があるんだな。って。とくに演劇にでてくる男女の兄弟は、それが多くて。

れいとん:言っていいですか。言っていいですか。もの申していいですか。

荻山:え?どうしたの?急に。

れいとん:絶対、こんな兄と妹の関係、現実ではないです!これ。言っていいですか。断言していいですか。

荻山:お、お、え?うん。え?

れいとん:すごい、なんか、ぜったい、ないな、ソファーの上でお菓子食べていたら、「ソファーの上でお菓子食べちゃダメでしょ!」って、なる。

 

一同、爆笑

 

れいとん:でも、私は歳がちかいからかも。年齢が離れているという点では、ちゃんちーのほうが戯曲に状況が近い。

ちゃんちー:私は逆に、お兄ちゃんは本当に普通の人で、私はひきこもっていた時期があったから、お兄ちゃんは綾みたい、遠くから見守ってくれた。

はっしー:私は自分に双子の妹がいて、で、兄がいるんですけど、私と兄の間にはないんですけど、私と妹の間には、ある。

まなてぃ:私は妹がいるけど、妹とプロレス、みたいなのはある。

はっしー:私はない。

れいとん:ちょっと遊んだりはするけど、くだらないことを一緒にしたり、とか。でも、綾みたく献身的にお兄ちゃんのために何かをできない。お兄ちゃんのためにはできないですね。

荻山:れいとんさん、そこ、すごい強調するね。

 

一同、笑う。

 

 

荻山:というわけで、たっぷりと話ができました。

中込:これは、前後半になるのも仕方ない。

荻山:でもまだ書けていないエピソードが‥

中込:優柔不断が極まってますね。ここまでにしましょう。

荻山:はい…。

 

<おしらせ>

「東京都立日野台高校 演劇部」の八王子学生演劇祭での公演は!

12月21日(土)1500開演 ※開場は開演20分前

◆東京都立日野台高校 演劇部   

 「ヒッキー・カンクーントルネード」作:岩井秀人

 

【会場】八王子市芸術文化会館 いちょうホール(小ホール)

東京都八王子市本町24番1号

 

【料金】

入場無料・全席自由

 

ぜひお越しください!

 

 

○公演フライヤー

表:

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裏(タイムスケジュール):

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「会いに行く、それ、振り返る」 課題戯曲に挑戦!団体参加 - 出演団体紹介:

他の出演団体の記事です。

第1回:演劇ユニットこえのしずく

第2回:都立日野台高校演劇部 前編

第3回:追手門学院大学「STEP」

第4回:都立瑞穂農芸高校演劇部

 

 

 

主催・お問合せ:(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団(042-621-3005)

運営協力:鮭スペアレ 宣伝美術:こばやし帝国(タマゲキ)

後援:八王子市教育委員会

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