① 価値の正体はギャップ(差異)であること
② 価値の大きさはギャップの大きさであること
③ 大事なのは「気が付く力」
④〈これまでの自分(たち)〉を一旦忘れることがコツ
3月末には、東京都高等学校演劇連盟・多摩南地区の「春の高校演劇フェスティバル」が武蔵村山市民会館で行われました。参加した皆さま、お疲れ様でした。「たちかわシェイクスピアプロジェクト」のメンバー、私、荻山さんで、可能な限り拝見しました。
高校演劇フェスティバル当日も含め、この「ああ、大人になっても演劇続けていきたいな。」制作ワークショップのことを、高校生や大学生、顧問の先生方に直接ご紹介する日々が続いています。
結構予想外だったのが、「演技よりも制作の方が興味がある」という学生さんが意外に多いのだな、ということです。
ある高校の演劇部の新3年生も、「将来を考えるにあたり演劇の制作のことを勉強してみたい!」と積極的に参加を申し込んでくれました。また、演劇部に留まらず外部で劇団を立ち上げた高校生のグループも、「劇団運営に必要なことが知りたい」ということで参加してくれるようです。
演劇制作に興味のある学生さんたちには、「具体的にこれこれが知りたい」から「なんとなく演劇創作全体に興味がある」まで、幅があるのかもしれません。
演劇を続けていくには、まさに、この大きく広い課題と、より具体的で細々した課題の両方に、バランスよく取り組んでいく必要があります。
「大きく広い課題」とは、“演劇とは何か”という答えのない問いを考え続けることです。演劇の価値ってなんだろう。演劇は社会をより良くすることができるのだろうか。どんな演劇を創れば、たくさんの人に見てもらえるのだろうか。などなど。
「具体的で細々した課題」とは、演劇をお客さんに届けるために必要な体制作りや、とても大切なお金のことを、しっかりと管理することです。知ってしまえばなんてことはないような知識ではあるのですが、これを踏まえないと、演劇創作は絶対にできません。
たとえば、私は、劇団の主宰者であり、演出家でもあるので、この二つの課題を常に往復して演劇と向き合っています。私の創りたい演劇はなんなのだろう。そのためにはどんな人が必要でどれくらいの予算がかかりどんな場所が必要なのだろうか…。
「ああ、大人になっても演劇続けていきたいな。大学生・高校生・中学生向け制作ワークショップ」では、その二つの課題に取り組みます。そのために、私・小堀さん・荻山さんの知識や経験を、可能な限りお伝えします。
立川会場(中学生・高校生対象)では、「具体的で細々した課題」をメインに、八王子会場(高校生・大学生対象)では、「大きく広い課題」をメインに扱おうかと今のところ考えています。ただ、それは限られた時間のバランスの問題であり、両日とも2つの課題に取り組みます。見学はどなたでも可能ですので、ぜひ両日とも足を運んでいただけたら嬉しいです。
「ああ、大人になっても演劇続けていきたいな。」
(4/11 追加) -----
八王子学生演劇祭2019の制作・広報をしております荻山です。
4月9日に、講師の小堀さん、中込さんと、ワークショップの具体的な中身について打合せをしました。
約3時間に渡る打合せ。主に小堀さんと、中込さんとがしゃべり続けていました。
僕はついていくのに必死で、途中からずっとチョコとソフトクリーム、牛乳プリンのことを考えていました。
ちゃんと話しを聞いていなかったわけではなく、とにかく今、甘いもの食べたい。それくらい脳みそを酷使した、ということです。
その打合せの中で、今回のワークショップを通して参加者のみなさんに「考えてみてもらうこと」が見えてきましたので、追記します。
今回のワークショップのキーワードは、「価値について」になりそうです。
なぜならばその打合せで、「価値」という単語が、出席者総計で100回くらい発語されたからです。
〇考えてみてもらうこと
・演劇の価値はどこにあるのか?
・それを自分(たち)以外のひとたちに分かってもらうには?
〇価値についての話し
・価値の正体はギャップ(差異)であること
・価値の大きさはギャップの大きさであること
・大事なのは「気が付く力」
・〈これまでの自分(たち)〉を一旦忘れることがコツ
「自分を安売りしてはいけない」と、3月あった最初の打合せで、小堀さんが言っていました。
では自分の価値は自分できめるのでしょうか。他人が決めるのでしょうか。
そして、価値とはどうやって作るのでしょうか。
それを知れたら、上手にコントロールできたら、それはとても強い武器になるのではないか。
ああ・・・それは、僕が知りたい。知りたいです。
でも打合せの場でそれを聞くのは我慢しました。当日聞きます。
小堀さんは、制作、企画、作演出、全部をやり、現場に足を運びます。
だからきっとそういうことが見えるのだと思います。
そういう人は、とても貴重だと思います。絶対数が少ないので。
そして打合せの翌日、確認したいことがあり深夜0時ころにLINEをしたところ、
「今、ギンガク(小堀さんが企画している銀河ホール学生演劇合宿事業)の脚本会議を4時間しています。」といっていました。
ああ、この人は、確実にずっと演劇を続けて行く人だと思いました。
打合せの最後に、「あとは楽しく、もっている知識については、求められる限り出し惜しみしないこと。」を、みんなで確認しました。
答えは参加者のみなさんそれぞれにあると思いますので、そこに近づけるヒントを持って帰ってもらえるよう、全力でがんばります。
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たちかわシェイクスピアプロジェクト×八王子学生演劇祭2019
「ああ、大人になっても演劇続けられないかな。大学生・高校生・中学生向け制作ワークショップ」【キャッチコピー】
観客と作品をつなげるのが制作の仕事。君の表現を伝えたいのは誰?演劇の半分を創る「観客」のことを本気で考えよう。(演出家・中込遊里)2019年4月13日(土)14時~18時半(実技ワークショップもあり)・開場30分前
たまがわみらいパーク・レインボーホール(立川市富士見町6-46-1旧多摩川小学校)
対象:中学生・高校生。一般の見学可能。
参加費:詳細は裏面
定員:30名(定員に達し次第締め切り)【八王子会場】
2019年4月14日(日)14時~16時半・開場30分前
いちょうホール 第2展示室 (八王子市本町24番1号)
対象:高校生・大学生。一般の見学可能。
参加費:無料
定員:30名(定員に達し次第締め切り)
【演劇を続けている大人たち】
小堀陽平(文化事業デザイナー)
1986年生まれ。都立戸山高校・日本大学芸術学部演劇学科出身。日本大学大学院芸術学研究科舞台芸術専攻博士前期課程修了。中学3年の時に初めて演劇の台本を書き文化祭で上演。高校では実質廃部となっていた演劇部に入部し、創作脚本で東京都大会に推薦される。2017年西和賀町文化創造館(銀河ホール)アートコーディネーター就任。町民劇事業「銀河ホール演劇部」、高校演劇大会「いわて銀河ホール高校演劇アワード」を企画・実施。現在、一般社団法人bridgeにて演劇によるひとづくりや文化事業のデザインに携わる。
中込遊里(演出家・鮭スペアレ主宰)
1985年生まれ。出身の、都立八王子東高校演劇部や、日本大学芸術学部演劇学科で出会った仲間とともに、女優中心の劇団「鮭スペアレ」を旗揚げ(2006年~)。コンテンポラリー能とも呼ばれる、生演奏・ジェンダーフリーの独特な演出でシェイクスピア劇を上演。2016年、結婚と出産を契機に、立川市の文化創造施設「たちかわ創造舎」に劇団の拠点を構え、多摩地域の中高校生と演劇創作する「たちかわシェイクスピアプロジェクト」を開始。その場に集う人々の力をどこまでも信じることから作品を編み出すことをモットーとする。
荻山恭規(八王子市学園都市文化ふれあい財団職員)
1981年生まれ。北見工業大学卒業後、2003年、東芝プロセスソフトウェア(現・東芝デジタルソリューションズ)に入社。月40時間を超える残業をこなしながら、隙間をぬって小劇場の舞台に立つ。2017年、先輩に誘われ、それまでまったく縁のなかった公益財団八王子市学園都市文化ふれあい財団に転職し、「八王子学生演劇祭」を担当。今となっては学生演劇にどっぷりとはまる、2児の父。
【申し込み・お問い合わせ】※立川会場と八王子会場で異なります。
立川会場:
たちかわシェイクスピアプロジェクト
tachikawaSPsince2016@gmail.com(お名前・学校・学年・ご連絡先を明記ください)
詳細はこちら
八王子会場:
(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団
電 話:042-621-3005
メール:geishin78@hachiojibunka.or.jp(担当:荻山)
(お名前・学校・学年・ご連絡先を明記ください)
詳細はこちら
→http://www.hachiojibunka.or.jp/
【クレジット】
立川会場:
主催:たちかわシェイクスピアプロジェクト実行委員会
共催:たちかわ創造舎・公益財団法人立川市地域文化振興財団
PR提携:(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団
企画運営:鮭スペアレ
立川市旧多摩川小学校有効活用事業
<企画・運営>NPO法人アートネットワーク・ジャパン
NPO法人日本自転車環境整備機構
<連携団体>たまがわ・みらいパーク企画運営委員会
主催:(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団
企画・制作協力:たちかわシェイクスピアプロジェクト実行委員会
後援:八王子市教育委員会
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