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2020年7月27日 (月)

課題戯曲の紹介!  第1回 前田 司郎『うん、さようなら』

八王子学生演劇祭2020

ディレクターの荻山です。

 

八王子学生演劇祭2020 団体参加の課題戯曲、全7作品を先日公表いたしました。

八王子学生演劇祭2020 参加団体・個人を募集中!

 

その内、今年度新たに課題戯曲となった5作品について紹介していきます。

 

 

Photo_20200712125701

 

 

戯曲を実際に手に取るのは、なかなかハードルが高いなと思います。

そのハードルを越えてもらうためにこのブログでは、「1.作者について 」の章で、どういう作者が書いているのか、どういう人が翻訳しているかを中心に紹介します。

 

また、「2.作品について 」の章では、物語がどのように始まり、どのような登場人物がどくらい出てきて、どのようなことをするのか、そしてどのように終わるのか、を紹介します。

ここに書いてあるのは最低限のことです。少しでも気になったら、ぜひ、戯曲を手にとってみてください!

どれも本当に面白く、とても挑みがいがあります!

  

 

第1回は、前田司郎 作『うん、さようなら』です。

  

 

1.作者について

  

前田司郎

  

1977(昭和52)年、東京都五反田生れ。1997(平成9)年、劇団「五反田団」を旗揚げする。2008年、『生きてるものはいないのか』で岸田國士戯曲賞、2009年、小説『夏の水の半魚人』で三島由紀夫賞を受賞。著書に『愛でもない青春でもない旅立たない』『恋愛の解体と北区の滅亡』『グレート生活アドベンチャー』『誰かが手を、握っているような気がしてならない』『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』『逆に14歳』『濡れた太陽高校 演劇の話』などがある。

 

※新潮社のホームページより引用

https://www.shinchosha.co.jp/writer/3559/  

  

  

  

2.作品について

おばあちゃんがニコニコしている社会が一番いい。劇団「五反田団」の新作「うん、さようなら」は、作・演出の前田司郎のそんな思いからうまれた。高齢の女性4人が、全編、明るく楽しくおしゃべりする。

  

朝日新聞デジタルより引用(無料部分)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13509535.html

 

 

僕は会社に行っているわけではないので平日に散歩する、そうすると周りにはお年寄りが多い。平日に旅もする、そうすると観光地にはお年寄りしかいない。特にお婆ちゃんが多い。お爺ちゃんも少なからず居るが、たいてい仏頂面で、楽しみ方が下手に見える。

お婆ちゃんはオシャレしていて、おしゃべりで、よく笑い、楽しそうで、もうすぐ行ってしまうとは思えない。お婆ちゃんが好きだ。ああなりたい。そうだお婆ちゃんがいっぱい出てくる戯曲を書こうと思ってこの企画を立ち上げた。

まだ書いてないからどんな話になるかわからないけど、お婆ちゃんがいっぱい出てきて楽しそうにしている芝居にしようと思う。

俳優たちはお婆ちゃんじゃないけど、きっと誰の心にもお婆ちゃん的なものが居るはずだから、心のお婆ちゃんと話しあいながらやってみようと思う。

お婆ちゃんメイクをしたりはしません。お婆ちゃん=少女。お客さんもお婆ちゃんになって、お婆ちゃん同士おしゃべりを楽しんで帰るような舞台になったらと思っています。

前田司郎

 

※五反田団「うん、さようなら」特設ページより引用

https://gotanndadan.wixsite.com/kouen-tokusetu

 

  

〇登場人物 ※登場順

久江(松金の教え子)

イネ(今回の旅行の計画をたてる。松金とは戦争より前からの付き合い)

富子(マイペース、久江とはPTAで一緒だった。長い付き合い)

松金(お教室の先生。ずいぶん前に引退)

孫(松金さんの孫)

娘(久江の娘)

  

 

〇あらすじ ※あくまで戯曲上でおこる出来事の羅列です

 

(1)2010年品川駅、改札前

登場人物:久江、イネ、富子、松金

品川駅ホームで待ち合わせをする久江、イネ、富子、松金。

新幹線で熱海へ旅行に行くようだ。

しかし、富子、松金は、時間通りには表れない。

「計画が狂う」と、あせるイネ。言い合っているうちに、高齢の松金が孫に連れられて登場する。

なんとか予定通り、4人は熱海へ出発する。

  

 

(2)1992年 新幹線の中

登場人物:久江、娘

久江は、娘と熱海へ旅行に行くため新幹線にのっている。

久しぶりの2人での旅行にぎくしゃくする会話。

  

 

(3)2010年  ツツジ祭り

登場人物:久江、イネ、富子、松金

ツツジ祭り。久江、イネ、富子、松金は、はしゃいでいる。

出店で売っていた、銀杏の殻で干支の動物を形どった小物が欲しくなる松金。

みんなで止めるが、どうしてもその小物が欲しいようだ。

あきれて、富子、久江はどこかへいってしまう。

松金はイネに、「買ってもいいか?」と聞き、イネは「いいよ」という。

イネ、久江、富子の分も買ってあげようとする松金。

  

 

(4)2017年 斎場

登場人物:久江、富子、孫

松金のお葬式。久江、富子(共に85歳)は弔問に来て、松金の孫と話をする。

孫は、久江と富子に、「5円玉」でつくられた「鎧のようなもの」が、捨てるに捨てられなくて困っていることを相談する。

それに対し、久江、富子は松金が、孫とその母(松金の娘)の生まれた年の5円玉を集めていたこと伝える。

その5円玉で「鎧のようなもの」はできている。

なぜそんなことをするのか、意味がわからない孫。

意味はわからないけど、その数字が愛おしかったのでは、と、久江は孫に伝える。

立ち去る孫。久江と富子は、死後の世界について話をする。

  

 

(5)2010年 旅館

登場人物:久江、イネ、富子、松金

懐石料理を食べるべく、別室に移動しようとする久江、イネ、富子、松金 。

迷宮のような旅館で迷子になる。

迷子になりながらも、4人は一緒に写真を撮ったりする。

  

 

(6)1992年 旅館

登場人物:久江、娘

久江と娘は、一緒にお酒を飲みながら、昔話をしている。

久江とイネは二十歳のころ、男を取り合って大喧嘩をしたらしい。

15、6年ほど口をきかなかったが、やがて久江から連絡し、仲直りしたという。

久江はその男とは結局、結婚しなかった。

男を見る目のない遺伝子があると言う娘。

そんな遺伝子があったら滅びていると言う久江。

  

  

(7)2010年 旅館

登場人物:久江、イネ、富子、松金

懐石料理に文句を言いながら自室に移動しようとするが、迷宮のような旅館で再び迷子になる久江、イネ、富子、松金。

富子は飲んでいる「グルコサミン」の効能について話すが、イネは、グルコサミンを口から飲んでも吸収されないとやんわりそれを否定する。

やがて対立する2人。聞こえないふりをする松金。両方を弁護する久江。

若干言い負けそうな富子の怒りは、やがて久江に向き始める。

すると、突然、松金がバギーをもって走り出す。

ものすごいスピードで、つかまえられない。

なんとか連係プレーで松金を捕まえることができた3人に、松金は、最後の旅行だからケンカしないでほしい、と伝える。

  

 

(8)1992年 旅館

登場人物:久江、娘

久江と娘は眠り支度。真っ暗にすると寝られない、と娘は言う。

うちに泊まりに来るかと久江は誘うが、仕事を理由に娘は断る。

  

 

(9)2010 旅館

登場人物:久江、イネ、富子、松金

眠れない、久江、イネ、富子、松金。

明日は海に行こうなどと話をする。

  

 

(10)2018年 施設のような場所

登場人物:久江、イネ

久江とイネが話をしている。

どうやらイネは、久江のことがよくわからないようだ。

イネは死んでしまった猫のかわりに、猫のぬいぐるみを大切にしている。

しばらく会話がすれちがった後、あんたとは馬が合いそうだ、と伝えるイネ。

あんたとは誰よりも長いつきあいだ、と伝える久江。

おたがいに「さようなら」と言い、別れる。

  

 

(11)1992年 駅のホーム

登場人物:久江、娘

急かす娘。ゆっくりとしか移動できない久江。

久江は何やら拗ねているようだ。

そんな久江を置いて、先の電車で帰る娘。

  

 

(12)2010年 海

登場人物:久江、イネ、富子、松金

久江、イネ、富子、松金は海をみている。

海に沈んでいく夕日をみながら、おしゃべりをする。

  

 

 

おわり。

 

 

 

八王子学生演劇祭2020の出演団体募集中です!

詳しくはこちら

 

 
八王子学生演劇祭2020とは

2016年から八王子市芸術文化会館(いちょうホール)にて開催している、10代から20代半ばの若者が主役の演劇祭。毎年12月、八王子市内外で活動している複数団体・個人による公演を実施している。2019年からは総合ディレクターを起用。課題戯曲への挑戦や、市民や観客を巻き込んで行う創作劇など、出演者がより輝く舞台づくりを通して、広く演劇文化の普及に努めている。

 

日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

 

twitter:@hachioji_engeki

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