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2020年7月30日 (木)

課題戯曲の紹介!  第2回 鈴江俊郎『ともだちが来た』

八王子学生演劇祭2020

ディレクターの荻山です。

 

八王子学生演劇祭2020 団体参加の課題戯曲、全7作品を先日公表いたしました。

八王子学生演劇祭2020 参加団体・個人を募集中!

 

その内、今年度新たに課題戯曲となった5作品について紹介していきます。

 

 

Photo_20200712125701

 

 

戯曲を実際に手に取るのは、なかなかハードルが高いなと思います。

そのハードルを越えてもらうためにこのブログでは、「1.作者について 」の章で、どういう作者が書いているのか、どういう人が翻訳しているかを中心に紹介します。

 

また、「2.作品について 」の章では、物語がどのように始まり、どのような登場人物がどくらい出てきて、どのようなことをするのか、そしてどのように終わるのか、を紹介します。

ここに書いてあるのは最低限のことです。少しでも気になったら、ぜひ、戯曲を手にとってみてください!

どれも本当に面白く、とても挑みがいがあります!

  

 

第2回は、鈴江俊郎 作『ともだちが来た』です。

  

  

 

1.作者について

  

鈴江俊郎

  

〇プロフィール

大阪府生れ。大学在学中に演劇活動を始める。

1993年ー2007年まで劇団八時半の主宰として京都で活動。

以来、ほぼ全作品の作演出を手がけ、俳優として舞台にも立つ。

関西劇作家の登竜門だったテアトロ・イン・キャビン戯曲賞やOMS戯曲賞だけでなく、

シアターコクーン戯曲賞、岸田國士戯曲賞、文化庁芸術祭賞大賞(演劇部門)など戯曲賞を受賞。

戯曲は英独露インドネシア語に翻訳され海外でも紹介されている。

 

「office 白ヒ沼」のホームページより引用

https://shiroinuma.wixsite.com/shiroinuma/untitled-c1039

  

 

  

2.作品について

夏。蒸し焼きにされそうな畳の上で男二人がただじゃれあうような会話を楽しんでいる。

大学に入ったばかりの夏休みの里帰り。

久しぶりに会う旧友。

剣道部の友はしかし水も飲んでくれない。

喉は渇くはずなのに。最期は水の中だったから、渇かないとでも言うのだろうか。

架空の竹刀でする試合、死んだ友はやはり最後まで勝てなかった。

「俺のこと忘れないでいてほしいんだよ。」

水も飲まないで彼は消えたのだ。

 

「office 白ヒ沼」のホームページより引用

https://shiroinuma.wixsite.com/shiroinuma/tomodachi

 

 

〇登場人物

 

〇あらすじ ※あくまで戯曲上でおこる出来事の羅列です

 

1.ともだちを待つ

登場人物:私

夏。私は畳の上で、アリを観察したり、どこかから聞こえてくる水の音に耳をすませたりしている。

 

 

2.ともだちがきた。

登場人物:私、友

気が付くと、友が自転車にまたがって部屋にいた。驚く私。

なんで来たのか、いつ来たのか、いつまでいるのか、を聞くが、どうにもはぐらかされてしまう。

友は、自転車で、620キロくらいの道のりを来たという。

靴を玄関においてくる、という友を、思わず叱責してしまう。

 

 

3.ともだちは寝る

登場人物:私、友

友は寝ている。私は、寝ている友に、柿の木がここしばらく実をつけない、という話をするが、友は寝ている。

 

 

4.ともだちは茶を飲まない

登場人物:私、友

私は友に麦茶をすすめるが、友はそれをなかなか飲まない。

友は私の身体をゆっくりと触る。私は、友がきてくれて嬉しいと伝える。

私は、友のお葬式で、ちっとも泣けなかった。

ふざけてお葬式ごっこをする。やがて、真剣に素手の竹刀で剣道をする。

私が勝つ。友は、昔は自分の方が強かったのに、と話す。

私は麦茶をすすめるが、友は麦茶を飲まない。

 

 

5.ともだちは見ている

登場人物:私、友

私はどうやら、部室に女の子を連れ込んでいるようだ。

問答の末、女の子をおしたおす私。

友がそこにやってくる。手には麦茶をもっている。

にらみ合う2人。

 

 

6.ともだちは麦茶をかぶる

登場人物:私、友

私が部室に女の子を連れ込んだ時のことを思い返している。

結婚してみたかった、と、友は言う。死んでも死にきれない、と友は言う。

友には、友がいない。知っていたろう、私に問いかけ、友は自転車に乗って去ろうとする。

 

私は思わず奇声を上げる。私は私で、困っていたのだ。

友は根掘り葉掘り、あの女の子について私に質問をする。

あの女の子のほっぺと、自分のほっぺはどっちが色っぽいかをきく。

私が黙っていると、友はそっぽを向いてしまった。

 

やがて2人は、ありを見ている。ありは、ほこりを食べるのだろうか。

食べるかもしれない、と、私は言う。

何を確かめたくて、俺は死んでしまったんだろうか、と友は言う。

水の音が聞こえる。

 

 

7.ともだちは去る

登場人物:私、友

友は、私の部屋のまわりを自転車でぐるぐるまわっている。

そして自転車にのっていた1週間について話す。私の質問に、友は答える。

 

 

8.ともだちは勝つ

登場人物:私、友

私は、大学でもまだ剣道を続けていることを伝える。だけど上には上がいる。

勝たなきゃ、だめだ、と、友は言う。しばらくいろ、と、私は言う。

再び、架空の竹刀で剣道対決がはじまる。友に反則紛いの攻撃をうけ、私はひっくり返る。

覚えていてほしい、と友は言う。あぶくの音は友の、のどぼとけから聞こえてくるようだ。

 

 

9.ともだちはお茶を飲む

登場人物:私、友

畳の上で寝転がる2人。柿の種のようなものをみながらじゃれあっている。

友は、これは柿の種だと言う。私は、そうではない、と言う。

写真をとろう、と、友が言う。撮影をする。

お茶をくれ、と友が言うので、部屋を出て取りに行く私。そのすきに、友は帰ってしまう。

戻ってきた私は、やがて、素手で剣道をはじめる。

 

終わり

 

 

 

 

 

八王子学生演劇祭2020の出演団体募集中です!

詳しくはこちら

 

 
八王子学生演劇祭2020とは

2016年から八王子市芸術文化会館(いちょうホール)にて開催している、10代から20代半ばの若者が主役の演劇祭。毎年12月、八王子市内外で活動している複数団体・個人による公演を実施している。2019年からは総合ディレクターを起用。課題戯曲への挑戦や、市民や観客を巻き込んで行う創作劇など、出演者がより輝く舞台づくりを通して、広く演劇文化の普及に努めている。

 

日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

 

twitter:@hachioji_engeki

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