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2020年8月 5日 (水)

課題戯曲の紹介!  第5回 別役実『マッチ売りの少女』

八王子学生演劇祭2020

ディレクターの荻山です。

 

八王子学生演劇祭2020 団体参加の課題戯曲、全7作品を先日公表いたしました。

八王子学生演劇祭2020 参加団体・個人を募集中!

 

その内、今年度新たに課題戯曲となった5作品について紹介していきます。

 

 

Photo_20200712125701

 

 

戯曲を実際に手に取るのは、なかなかハードルが高いなと思います。

そのハードルを越えてもらうためにこのブログでは、「1.作者について 」の章で、どういう作者が書いているのか、どういう人が翻訳しているかを中心に紹介します。

 

また、「2.作品について 」の章では、物語がどのように始まり、どのような登場人物がどくらい出てきて、どのようなことをするのか、そしてどのように終わるのか、を紹介します。

ここに書いてあるのは最低限のことです。少しでも気になったら、ぜひ、戯曲を手にとってみてください!

どれも本当に面白く、とても挑みがいがあります!

  

 

第5回は、別役実 作『マッチ売りの少女』です。

  

  

 

1.作者について

  

別役実

  

別役 実(べっちゃく みのる、べつやく みのる 1937年4月6日 - 2020年3月3日)は、日本の劇作家、童話作家、評論家、随筆家である。名の正式な表記は實。サミュエル・ベケットの影響を受け、日本の不条理演劇を確立した第一人者である。日本藝術院会員。

1968年、『マッチ売りの少女』『赤い鳥の居る風景』で第13回岸田國士戯曲賞を受賞。この時期には「雨が空から降れば」(作曲:小室等)などの詩作もある。

三津田健、中村伸郎、高木均といった俳優がよく別役作品に出演した。1990年代に入ってからは、日本劇作家協会の創立に関わる。平田オリザとの親交も深い。

2003年から2009年3月までは兵庫県にあるピッコロシアターに併設された兵庫県立ピッコロ劇団の代表を務めていた。2013年芸術院会員に選ばれる。晩年はパーキンソン病に罹患し、入退院を繰り返していた。2020年に入って体調を崩し、3月3日に肺炎で死去した。82歳没。
 

 

wikipediaより抜粋

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%A5%E5%BD%B9%E5%AE%9F

 

  

  

  

2.作品について

 

初老の夫婦の夜ごとのお茶会に、市役所から一人の女がやってくる。女は昔、七つの時、マッチを売っていた、マッチを売って、自分のスカートの中を覗かせていたと話し出す。そして、それを教えたのは、あなたではないか、あなた達は私の両親なのではないかと言う。女は、外に待たせていた弟も家に入れ、「善良で模範的で無害な」夫婦は、二人を拒むことも受け入れることも出来ず、戦後の混乱と混沌が、闇の中、白々とした朝の中、浮かび上がる。

 

「戯曲を探す 戯曲図書館」 別役実「マッチ売りの少女」より引用

https://gekidankatakago.com/2019-05-23-094351/

 

 

〇登場人物 ※戯曲の紹介順

その弟(文中では、弟)

初老の男(文中では、男)

妻(文中では、妻)

  

 

〇あらすじ ※あくまで戯曲上でおこる出来事の羅列です

 

1.女の回想

登場人物:女

女が、大晦日の晩にマッチを売っていたときの想い出を語る。それは童話『マッチ売りの少女』のようである。

エプロンのポケットいっぱいのマッチがあったが、だれひとり、わずか1シリングのお金も、めぐんではくれなかった。

  

 

2.男とその妻の家 その1

登場人物:男、妻、女

男とその妻は、食事の準備をしながら、食材について、あれはいい、これはダメだと話している。

かみ合っているようで、かみ合っていないような2人の会話。2人とも、飼っていた犬の名前を思い出せない。

そこに、女が訪ねてくる。2人は女を家に招き入れ、お茶に誘う。女は市役所の方から来たという。

 

  

3.初老の男とその妻の家 その2

登場人物:男、妻、女

男と妻は、女を歓迎する。市役所についての思い出を語り、自分たちは善良で模範的な市民であると語る。

2人は女の訪問理由を尋ねるが、女はなかなかその理由を話そうとしない。2人はさらに自分達がいかに親切で、理解があるかを話すが、女はお茶を入れてくれたことへの感謝を繰り返し述べる。

  

 

4.初老の男とその妻の家 その3

登場人物:男、妻、女

男と妻は、訪問理由を知りたくて仕方なくなっている。少し不安そうでもある。男は妻に歌を歌うよう促すが、それを妻は拒む。

ふと、女が、私はマッチを売っていた、と話し始める。それは20年前の出来事で、女はその後、結婚して男の子と、女の子をそれぞれ産んだという。そのうち、女は童話『マッチ売りの少女』を読み、それが自分の話であるということを思い出していったという。

そしてその記憶は、最終的にはマッチの灯りで自分のスカートの中をのぞかせるというものであった。

  

 

5.初老の男とその妻の家 その4

登場人物:男、妻、女

自分はなぜあんなことをしたのかと2人に問いかける女。貧しかったからか、と答える男。あの頃はみんなそうだったと答える妻。

女はその行為を、男に教えられたという。そして、自分は娘である、と告げる。男はそれを否定する。なぜなら、自分の娘は、昔交通事故で死んだからだ。問い詰める女。それを否定する男。やがて妻は、自分の娘ではないと断言はできない、と言い始める。

 

 

6.初老の男とその妻の家 その5

登場人物:男、妻、女

男と妻は、自分の娘が交通事故で死んだときのことを思い出している。思い出すにつれ、妻は、女が自分の娘であるという確信を深めていく。そんなはずはないと男は言う。女は、もはや、2人の娘のようにふるまっている。

そして、自分には弟がおり、外で待たせていることを告げる。困惑する2人。2人には、息子はいなかったからだ。

  

  

7.初老の男とその妻の家 その6

登場人物:男、妻、女、弟

弟が家に招き入れられる。弟の口数は少ない。シャイな性格だ、と、女は言う。だが、弟はだんだんと饒舌になってくる。

弟は、自分の親、つまり男、と、妻の昔の話をはじめる。しかし、どうも弟の話と、男と妻の記憶は一致しない。

男は女に、自分に息子はいなかったと、強い口調で伝える。なおも弟は、過去の話を続ける。それはやはり、男と妻の記憶とは一致しない。その内、弟は自分が男に暴力を受けていた、と告げる。男はそれをさらに強く否定する。

女と弟は、自分たちはそのことを恨んでいない、と話す

  

 

8.初老の男とその妻の家 その6

登場人物:男、妻、女、弟

弟は上半身にある痣をみせる。男と妻は、観念したかのように、息子の存在をみとめ謝罪と、償いの意思を示す。

女は、ただ自分たちの存在を認めてほしかったのだ、自分の子供たちも実は家の中に入れていたのだ、と告げる。

そんな2人を、家から追い出そうとする男。妻もそれに賛同する。子供たちにあってほしいと女はすがる。

 

  

 

9.初老の男とその妻の家 その6

登場人物:男、妻、女、弟

突然、女はテーブルに突っ伏して眠ってしまった。泣いているようである。そういうことはよくあるそうだ。

男と妻は、弟に、本当にあなたは自分たちの息子なのかと、再度問いかける。しどろもどろになる弟。

ふとした瞬間、男と妻は、虚ろになってしまう。そして、女や弟、その子供たちを家に泊めてあげることにする。

  

 

10.初老の男とその妻の家 その7

登場人物:男、妻、女、弟、市役所から男(声のみ)

市役所から男が訪ねてきて、盗難、火の元の注意をする。男と妻は、自分たちの子供がぐっすりと寝ていることを告げる。

市役所から来た男が立ち去ると、女が目を覚ましている。女は、弟がビスケットをいくつ食べたかを尋ねる。そして、2枚のビスケットを食べたことに激昂する。動揺する、男と妻。女は弟をきつく責め続ける。みんなが空腹に耐えているのに、なぜ自分だけ食べるのか、と。

女があまりにひどく弟を怒鳴りつけるため、男とその妻は、弟を庇うが、女の怒りは収まらず、自分を深く卑下し、周りを罵倒し、弟の頭を床に打ち付ける。やがて女の言葉、両親への謝罪の言葉に代わり、マッチを擦る音への恐怖心の吐露へと変わっていく。

 

 

11.初老の男とその妻の家 その7

登場人物:男、妻、女、弟、男の声(声のみ)

子供たちの寝息が聞こえなくなった、と、男の声がする。女は、『マッチ売りの少女』の最後、翌朝、死んだ少女が発見されるくだりを話す。

 

  

 

おわり。

 

 

 

八王子学生演劇祭2020の出演団体募集中です!

詳しくはこちら

 

 
八王子学生演劇祭2020とは

2016年から八王子市芸術文化会館(いちょうホール)にて開催している、10代から20代半ばの若者が主役の演劇祭。毎年12月、八王子市内外で活動している複数団体・個人による公演を実施している。2019年からは総合ディレクターを起用。課題戯曲への挑戦や、市民や観客を巻き込んで行う創作劇など、出演者がより輝く舞台づくりを通して、広く演劇文化の普及に努めている。

 

日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

 

twitter:@hachioji_engeki

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