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2020年9月 2日 (水)

一緒に創ろう!個人参加の話① 「一緒に創ろう!個人参加」って、何?

八王子学生演劇祭制作・広報の荻山です。

  

 

 

先日は「課題戯曲に挑戦!団体参加」で、今年新たに設定した課題戯曲、5本を紹介いたしました。

今日からは全3回に分けて、「一緒に創ろう!個人参加」の話をしていきます。

   

 

 

八王子学生演劇祭2020 出演団体・個人の募集はこちら

上演日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール) ※上演形式については変更する可能性があります。

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デザイン:こばやし帝国

 

 

 

 

 

 

今年はどういう作品づくりを目指すのか、演劇祭の総合ディレクターであり、「一緒に創ろう!個人参加」の演出を行う中込遊里さん(以下、中込)、演出助手の清水いつ鹿さん(以下、いつ鹿)、宮崎悠理さん(以下、ざきりん)にお話を伺いました!

 

 

<プロフィール>

中込 遊里(なかごめ ゆうり)

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1985年日野市生まれ。都立八王子東高校出身。日本大学芸術学部在籍中、演出と演技を中心に学ぶ。卒業制作公演「夏の夜の夢」(作・シェイクスピア)では歴代最高の動員数を記録。大学在籍中に「鮭スペアレ」旗揚げ(2006年~)。シェイクスピアなどの古典作品を、生演奏の音楽劇として演出する。2014年・2015年「利賀演劇人コンクール」奨励賞受賞。2016年より立川市の文化創造施設「たちかわ創造舎」に劇団の拠点を構え、中高校生と演劇創作する「たちかわシェイクスピアプロジェクト」を開始。これまでのワークショップ参加者は150名を超える。その場に集う人々の力をどこまでも信じることから作品を編み出すことをモットーとする。

 

 

清水 いつ鹿(しみず いつか)

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撮影:木村護

東京都中野区出身。小中高と9年間演劇部に所属。日本大学芸術学部演劇学科演技コース在籍中、「鮭スペアレ」に入団し、以来俳優として活動を続ける。同団体には第2回公演以来全作品に出演。劇団の看板として、安定した低音声で劇世界の根底を支える。2017年より「たちかわシェイクスピアプロジェクト」でのワークショップ講師も務める。

 

 

宮崎 悠理(みやざき ゆうり)

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大阪府東大阪市出身。桜美林大学卒業。高校は大阪市立の演劇学科を卒業。現在はフリーの俳優として舞台を中心に活動しており、コンテンポラリーダンス作品や映像作品にも出演している。また、演劇を用いたコミュニケーションワークショップのファシリテーターとしての活動に注力しており、小学生から高校生を対象にコミュニケーション能力向上を目的としたワークショップを都内外問わず実施している。

 

 

 

 

 

― まずは「一緒に創ろう!個人参加」とは、どういうものなのかについてお聞かせください。

中込:団体に所属していなくても演劇祭に参加できる仕掛けを作りたいと考えていました。去年、私が演劇祭の総合ディレクターに就任した時に、個人でも参加ができる枠を作ろうと提案しました。
 

― 一昨年までは、団体参加のみでした。

中込:そうそう。あと、若い世代は意外と他者と出会う機会が少ない、と、ずっと感じていました。知らない人同士が集まって、演劇創作を通してコミュニケーションを行う。それは本当に特別なことで、普段とは違う自分が出せたりする。

 

― この演劇祭のテーマであり、キャッチコピーでもある、「遠くまで行こう」という言葉にも繋がる考え方です。

中込:うんうん。遠くまで行くために「課題戯曲に挑戦!団体参加」では、優れた課題戯曲との出会いを用意しています。「一緒に創ろう!個人参加」では、演劇という共通の背景がある、同じ世代の仲間や、私たち大人、いつもとは違う自分と出会って欲しいです。

 

 

 

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八王子学生演劇祭2020キャッチコピー

 

 

 

― ここからは、いつ鹿さん、ざきりんさんにも加わって頂いて、去年のことを少し振り返ってみたいと思います。

ざきりん:私は、去年はまだ関わりがなくて。

 

― そうでした。

いつ鹿:私も去年はまだ役割があったわけではないのですが、稽古場にいる大人が演出の中込さん1人だったので、サポートとして参加していました。

 

ざきりん:どんなことをしていたんですか?

 

いつ鹿:うーん。本当に色々なことをやりましたね・・・。特に忙しかったのが本番の前日と当日。劇場に入って、中込さんは全体の演出に集中せざるを得ないので、それを補う細かい演技指導を私が担当しました。

 

ざきりん:じゃあ、悩んでいる人を見つけては、声をかける、みたいな。

 

いつ鹿:そうそう。例えば、初々しい2人の男女が、雨の中で告白をするシーンがあって、演じる2人がとても悩んでいて。その時は、かなり具体的に演技指導をしました。

 

ざきりん:なるほど。

 

いつ鹿:後は、ここは上手じゃなくて、下手から出た方がいいよ、とかそういう細かいことも。

 

ざきりん:出はけのアドバイスまで(笑)

 

いつ鹿:そうです(笑)

 

中込:本当に、助かったよ~。

 

 

 

_200824_10

適切な距離をとってお話をしました。 

 

 

 

― 去年は「Fwd:百歳まで生きたら」というタイトルで、百歳まで生きるということを参加者と一緒に考えました。

中込:生きるとは、死ぬとは、正解がないことを話し合う。話すだけではなく、そこから演劇創作する、それがとても大事だった。

 

いつ鹿:演劇創作に入るまでの時間がたっぷりあって、それが良かった。

 

中込:象徴的だったのが、バナナのシーンかな。

 

ざきりん:なんですか?それ。

 

いつ鹿:突然、中込さんが言い始めたんです。最後のシーンは、天井からバナナが釣り下がっていたら良いと思うんだけどって。

 

中込:そうそう。本番の3日前に、天井から吊るされたバナナを取る、というシーンを追加したんだけど、それはいったい何の意味があるんだろうというのを、私を含めてみんな発見できなくて(笑)。

 

いつ鹿:で、みんなわかんなくて、え?ってなって。黄色い靴を履いてた参加者に、靴を借りて、今、この靴がバナナです。って。

  

ざきりん:ええええ!

 

中込:天井からバナナが1本降りて来るから、言葉を使わずにバナナを取ってくれ、と参加者にお願いをしました。実際に動いてみて、うーん、ちょっと違うな、と。でも、もう一回やろうって。

  

ざきりん:ひぃぃぃ、恐ろしい(笑)!

 

いつ鹿:私が椅子に上って、その黄色い靴を椅子の上からぶら下げて。みんなでこの靴をバナナだと思って、取ろうって。みんな真面目だから、すごく一生懸命に黄色い靴を取ろうとする、これはなんだろうと思いながら。

  

― 棒の先に靴をひっかけて高さを出したり、色々と工夫していましたよね。

いつ鹿:なるべく高く、と思って。高さは重要だから(笑)。

 

ざきりん:しかしそのシーンの意味は、発案者の中込さんも含めて、誰も知らないという(笑)。

 

中込:結果それは、人類の起源を示唆するシーンになったんです。言葉を覚えて、みんなで喧嘩しながら、協力してバナナを取る。最後、みんなで「バナナ!」と叫ぶと、ご褒美に全員分のバナナが落ちて来る。あー、こういうシーンになったのか、良かったなって。みんな納得できた。

 

いつ鹿:報われて、本当によかった。(笑)

 

 

一同、笑う。

 

 

ざきりん:わからないけどやってみよう、から、ああこれだったんだ、というところに短時間でたどり着くのは大変なことだと思います。でも、最初にたくさん議論をしてたからこそ、たどり着けたのかな、と、聞いていて思いました。

  

中込:本当に、そうだね。たくさん議論した財産が、演劇創作に活きたなと。

  

ざきりん:それを話してなかったら・・・。

 

いつ鹿:誰もついて来なかったかも・・・。

 

ざきりん:わかった!という感覚を、みんなで共有できた経験は、とても良いなあ。

  

中込:私が発見したというより、本当にみんなで答えを、バナナのシーンの解釈を探し当てた。それが本当に良かったなって。

  

ー その後、最後の最後、参加者の1人が前に出てきて喋るシーンも良かったですよね。

中込:かなり上手に演じてくれて。そのセリフも、また別の参加者の1人から出てきたエピソードを基に書きました。

  

「朝目が覚めると、隣に寝ている人がいて、とてもゆったり寝ている人がいて、髪の毛が、とても細くて柔らかくて、私は、その髪の毛を撫でるんですね。

それから、ああ、朝ごはん作ろう、って思って、立ち上がって、もう一度、寝ている人を見て、なんだか、たまらなくなって、それで、拍手をするんです。

起こさないように、でも、とってもたくさん、拍手するんです。」

  

中込:赤ちゃんとして生まれて、歳を重ねていって、でも最後には赤ちゃんに戻る、人は結局愛情で繋がっている。そういう作品にしたかったので、そうなって良かったな、と思いました。

  

― 本当に、良かったです。

中込:たくさん議論して、いっぱい考えて、それによって作品に奥行きが生まれたと思う。なので、今年の作品も、そうなるのかなと思わずにはいられない。(笑)

 

いつ鹿:思わずにはいられない。(笑)

 

中込:そう。(笑)

 

 

 

 

今日はここまで。

次回は、日本の家族のシンボルであるサザエさんと、中込さんがこだわりにこだわった今年の個人参加作品のタイトル『ガラパゴス家族』について話します!

 

 

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