2020年10月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

最近のコメント

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

八王子学生演劇祭2020

2020年10月 6日 (火)

全年齢向けワークショップ「自宅で演劇!リモート参加」のお知らせ

映像演劇に挑戦しませんか?

映像と演劇を組み合わせた独自の手法で海外でも活躍する劇作家・演出家 、山本卓卓氏 (範宙遊泳)を講師に招き、リモート環境で演劇創作に挑戦します。当日の様子や、創った作品は、「八王子学生演劇祭」〈12月19日(土)・20日(日)〉の会場で上映します。

 

 

講師コメント、ディレクターコメントを追加しました。10/13追記

 

日時:1123(月・祝) 13:3016:30 (受付15分前)

場所:ZOOM Cloud Meetings(オンライン会議)

※ご自宅などでのオンライン参加が難しい方は、八王子市内施設でご参加いただけます。お問い合わせください。

※演劇経験は問いません。

※ZOOM Cloud Meetingsを使い、オンラインで参加する場合、ビデオオン(顔が画面に映る状態)にできること

参加者定員:10名 ※応募多数の場合は抽選。

参加料:無料

挑む戯曲:卒塔婆BBA小町 (作:山本卓卓 ※本ワークショップ用、書き下ろし戯曲)

年齢制限:なし ※小学生以下の場合、要保護者同伴 ※パソコン、スマートフォンなどの通信端末と、Wi-fi環境が必要。

申込方法こちら ※11月15日(日) 必着

   

 

講師:山本卓卓(範宙遊泳) 劇作家・演出家

__

撮影:雨宮透貴

1987年山梨県生まれ。
幼少期から吸収した映画・文学・音楽・美術などを芸術的素養に、加速度的に倫理観が変貌する現代情報社会をビビッドに反映した劇世界を構築する。アジア各国や北米での公演や国際共同制作なども多数。『幼女X』でBangkok Theatre Festival 2014 最優秀脚本賞と最優秀作品賞を受賞。急な坂スタジオサポートアーティスト。ACC2018グランティアーティスト。公益財団法人セゾン文化財団フェロー。

 

 

 

講師コメント:

「卒塔婆小町」という名作をオリジナルな現代的解釈で再構築する、という挑戦をします。観阿弥・世阿弥が「卒塔婆小町」で目指した美、三島由紀夫が「卒塔婆小町」で目指した美、に目配せしながら、参加者とオリジナルな美を追求してゆきたいです。1日でできることは限られていますが「もしもこれが上演されるとしたら」という未来を強く描きながら、一緒に挑んでくれる方、ぜひ、ご一緒しましょう。(山本卓卓

 

ディレクターコメント:

2020年の演劇は、生で舞台上で上演するだけではなく、映像を媒介にして、その場に集まらなくても味わえる芸術として広まり始めました。

新しい形の演劇を八王子学生演劇祭でも楽しむために、「映像」と「演劇」のワクワクする関係に挑戦するワークショップを開催します。

コロナ禍において「映像演劇」にいち早く挑戦した、演出家・劇作家の山本卓卓さんを講師にお迎えします。

山本さんと、このワークショップでどんな作品に挑むかを話し合ったところ、課題戯曲のひとつである三島由紀夫作「卒塔婆小町」に魅力を感じるということでした。

三島が、能楽に刺激を受けて新たな演劇を生み出したように、山本さんが「映像演劇」を能楽『卒塔婆小町』から着想を受けて書き下ろします。

その挑戦の記録は映像に残し、演劇祭で上映します。これもまた映像ならではの演劇の楽しみ方です。

八王子学生演劇祭は、上演自体を楽しむのはもちろんですが、その創造過程を共有する場でもあります。

演劇の稽古場に多くの方に同席していただくのはかなり難しいですが、その稽古を映像記録に残せるのであれば、限りなくたくさんの方と演劇創作の楽しさを共有することができます。

どんな時だって、演劇は楽しい。映像と演劇の幸福な関係をぜひ味わってみませんか。 (中込遊里)

 

 

申込方法:

メール、またはFAXで、氏名(カナ)、住所、電話番号、年齢(学生は学校名と学年)、オンラインでの参加可否をご記入の上、下記宛先までお申込みいただくか、直接お電話ください。※結果は11月17日(火)を目処ににご連絡いたします。

TEL:042-621-3005(9:00 ~ 17:00)

FAX:042-621-3011

メール:geishin78@hachiojibunka.or.jp (担当:荻山)

 

 

 

たくさんのご応募、お待ちしています!

 

 

〇「一緒に創ろう!個人参加」出演者募集中!

 

Photo_20200712125701

八王子学生演劇祭2020総合ディレクター、中込遊里氏の演出による出演枠「一緒に創ろう!個人参加」は、 2次募集を行うことになりました。また、2次募集からはリモート出演枠を追加しており、完全リモートによる稽古、本番への出演が可能です。

詳しくはこちら

2020年10月 1日 (木)

「一緒に創ろう!個人参加」、2次募集について

八王子学生演劇祭

制作・広報の荻山です。 

 

 

 

PR:

劇作家・演出家 、山本卓卓氏 (範宙遊泳)による、全年齢向けワークショップ「自宅で演劇!リモート参加」のお知らせはこちらです。

 

 

 

  

Photo_20200712125701

 

  

「一緒に創ろう!個人参加」は、参加者が定員に満たなかったため、また、「リモート参加」の募集を新たに開始するため、 2次募集を行うことになりました。

2次募集の応募締切は、10月31日(土)までとなります。

また、今回はリモート出演枠を追加しました。完全リモートによる稽古、本番への出演が可能です。

 

  

1.募集内容

2.リモート出演について ※追加事項あり(new

3.「一緒に創ろう!個人参加」Q&A ※追加事項あり(new

 

 

 

1.募集内容

総合ディレクター・中込遊里と、公募で集まった参加者で、演劇創作に挑戦します。

 

対象年齢:

15歳~25歳 (高校生以上、未経験者も応募可能) 

 

応募対象:

出演者、演出助手を募集します。

 

タイトル:

『ガラパゴス家族』 

 

作・演出:

中込遊里とみんな

 

 

◆今年の作品について(総合ディレクター・演出 中込遊里)


「家族」をテーマに、戯曲のない状態から演劇作品を創ります。

 

私たちは、生まれる「家」を選べません。自分を育てる「人」も選べません。それは「愛の奇跡」とも「不自由な運命」ともいえるでしょう。

 

年齢を経て自分で「家」を選べるようになって、これが自分の人生だ!と思っても、生活の営みの中で「生まれた家」や「育てられた人」に影響されてるな、と感じることがあります。

 

離れていると会いたくなる。でも煩わしい時もある。家族ってなんだろう?

 

その謎を楽しむために、演劇というファンタジーを借りて、ちょっぴりヘンテコな家族を形成したいと思います。この場に集まった人たち全員で、かりそめの家族になってみます。

 

家族という、真剣に考えれば考えるほど得体の知れないシステムを、「参加する皆さん」と「観客の皆さん」の力で、演劇にします。

 

◆演出部インタビュー

一緒に創ろう!個人参加の話①  一緒に創ろう!個人参加って、何?

一緒に創ろう!個人参加の話② サザエさんとガラパゴス家族

一緒に創ろう!個人参加の話③ ざきりんさんの話・どういう稽古場にしてきたいか・参加者に期待すること

    

スケジュール(予定):

稽古:

場所 八王子市、立川市の公共施設。10月はオンライン稽古予定です。その後は場合に応じてオンラインも併用します。

日時 平日 18:00 ~ 21:00 / 土日 15:00 ~ 21:00

2_20200701185001

※11月3日(火・祝)は18:00から21:00。11月23日(月・祝)は午後(時間未定)

※上記日程は変更になる場合があります。

※画像をクリックすると大きくなります。

 

場当たり:12月17日(木) 18:00~ 

公開リハーサル:12月18日(金) 18:30~

上演:12月 20日(日) 16:00~

※上記は予定です。

※稽古の運営は、鮭スペアレ(劇団)が行います。

 

選考方法:

書類審査にて決定

 

定員:

20名程度(リモート参加含む)

 

応募締切:

10月31日(土) 必着

※すでに稽古が開始していますのでお申込次第稽古に参加していただきます。途中参加でも大丈夫ですのでご安心ください。

 

応募方法:

必要事項を本文に記入、本人写真を添付の上、メールにて送付いただくか、応募用紙をダウンロードしてご記入いただき、下記宛先まで郵送ください。

 

【必要事項】

1. 本人写真(バストアップ、個人の識別が出来るもの、スマートフォンでの撮影可能)

2. 氏名(カナ)

3. 住所、メールアドレス

4. 電話番号

5. 生年月日(西暦)

6. 希望する役割(出演者・演出助手・リモート出演

7. 経歴(学歴や演技経験)

8.「家族」について考えるにあたり、一緒に活動する仲間に紹介したい作品の作品名、作者、および紹介理由(400字程度) ※演劇作品、小説、映画、漫画、詩、歌など、自由に記載してください。

 

◆メールの場合

宛先:geishin78@hachiojibunka.or.jp(担当:荻山)

件名:「八王子学生演劇祭2020応募」

本文に上記必要事項を記載し、本人写真を添付してください。

※メールの場合、応募用紙の添付は不要です。

 

◆郵送の場合

応募用紙(下記よりダウンロード)に必要事項を記入し、下記宛先までご郵送ください。

ダウンロード - 応募用紙個人2020-2.pdf

 

住所:〒192-0066 八王子市本町24-1 いちょうホール2F

宛名:(公財)八王子市学園都市文化ふれあい財団「八王子学生演劇祭2020」係

 

参加条件:

【1】責任をもって八王子学生演劇祭2020に参加し、公演を実施できること。

【2】18歳以下の場合、保護者の許可を取ること。

【3】八王子学生演劇祭の広報活動(チラシ、HP、ブログ、SNSなど)に可能な範囲で協力できること。

【4】保険加入、新型コロナウイルス感染拡大防止のための氏名、住所、電話番号の提出に同意ができること。

【5】著作権・肖像権等使用同意書を提出できること(応募時には提出不要です)

 

<撮影同意書>

ダウンロード - 著作権・肖像権等使用同意書2020(個人).pdf

 

 

費用負担:

① 交通費、食費

② オンラインで稽古を行う際に必要な機器(パソコン、スマートフォンなど)・通信料

※上記以外の経費は原則かかりません。ただし、衣裳、小道具等、舞台で使用するものについては簡単なものを個人で用意していただく場合がございます。

個人参加の稽古における保険料は、財団にて負担いたします。

※コロナ禍における演劇祭の運営については、下記のリンクをご参照ください。内容は、世の中の状況に合わせて変更する場合があります

コロナ禍における演劇祭の運営について(応募を考えている方へ)

 

 

 

2.リモート出演について

本年度は、オンラインのみで参加する、リモート出演枠を追加しました。

稽古から当日の出演まで、すべてをオンラインで行う予定です。

10月中はディスカッションを中心に、「家族」について考えていきます。

会場との距離や稽古回数の問題で、これまでご参加いただけなかった方も、ぜひこの機にご参加ください!

 

 

稽古日程:

〈10月〉13日(火)、20日(火)、27日(火) ※途中参加可能。お申込次第稽古参加していただきます。

〈11月〉24日(火)

〈12月〉1日 (火)、6日 (日)、8日 (火)、12日 (土)、13日 (日)、15日 (火)、16日 (水)

※10月および12月8日(火)以降は、会場生出演チームとの合同稽古となります。

※応募方法については、「1.募集内容 」をご確認ください。

 

 

 

 

 

 

3.一緒に創ろう!個人参加 Q&A

八王子学生演劇祭2020の総合ディレクターであり、「一緒に創ろう!個人参加」の演出を務める中込遊里さんに、お問い合わせが多かった内容や、今回新たに追加した「リモート出演」枠について質問をし、回答をいただきました。

 

Q1.経歴は詳しく書いた方がいい?

お任せします。簡単でもいいですし、たくさん書いてもいいです。自分を知ってもらう上でこれは必要だな、と思うことを書いてください。

 

Q2.人見知りでも参加できますか?

演劇をやってみたい、なにか表現してみたい、という人は、だいたい人見知りな気がします。人見知りというと、なんとなく悪いことのようなイメージがありますが、私はそうは思いません。人見知りということは、周りの人の目や、人の態度に敏感だということです。それは感受性が鋭いということです。大勢の人と一緒に創作をする演劇ではとても大切な個性です。私も人見知りです。特に大学頃まではひどかったです。だから、人見知りで困るなあという若い人たちの気持ちはよくわかります。ですので、そういう繊細な心を大事にする稽古場にしたいと思っています。

 

Q3.リモート出演とはなんですか?

稽古は全てオンライン(zoomを使用)で行います。「八王子は遠いので行くのが難しい」「生出演よりも少ない稽古回数で参加したい」という方向けの参加方法です。

本番はリモートでの出演となります。本番会場のステージ上にプロジェクターで映像を投影し、その中でリアルタイムで演技をします。また、生出演のキャストと対話したり、お客さんと対話するシーンも想定しています。

本番の日はご自宅からの出演・八王子での出演(劇場と別の部屋からリモート出演)を選べます。

 

Q4.(生出演チームの)オンラインでの稽古は、どんな感じになりますか?

10月の稽古は、全員オンラインを予定していますが、自宅でカメラの前で演技をする、ということはほとんど無いと思います。基本的にはディスカッションを中心に行う予定です。「一緒に創ろう!個人参加」では、ディスカッションをとても大切にしています。ビデオオンの参加を歓迎しますが、事情がある場合はオフでも大丈夫です。

 

Q5.稽古には毎回参加しないとダメですか?

本番前、12月に入ってからはなるべく毎回参加して欲しいですが、相談はできます。昨年も個々の出演者と相談しながらスケジュールを組んでいました。ただ稽古量の関係から、参加率の高い人が出演時間が長くなる傾向があります。こちらはご了承ください。

 

Q6.稽古場に集まるのが不安です。

募集人数に対して、広い稽古場を確保しています。また、換気、消毒、検温、マスク・フェイスガードの使用など、新型コロナウイルス感染予防のための対策を行い、稽古を実施いたします。また、本年度は大人数が集まることを避けるため、当日稽古をするシーンに必要な出演者のみが集まる形でスケジュールを組みます。本番が近くなると、稽古場に集まることは多くなってしまいますが、細心の注意を払い、稽古場を運営します。リモート参加もぜひご検討ください。

 

Q7.どのようなことをやるのですか?

演出部のみなさんに、インタビューをしています。ぜひ、そちらを読んでみてください!

 

Q8.本番が中止になることはありますか?

100%無いとは、こういう状況なので言い切れません。ただ、安全に最大限に配慮しつつ、創意工夫をもって、その時できる最大の形で上演をしようと思っています。ここに集まる仲間と考え、工夫し、上演したということは、これからの演劇生活できっと役に立つはずです。

 

 

 

わからないこと、聞いてみたいことがありましたら、ぜひ、下記までお問い合わせください。

geishin78@hachiojibunka.or.jp(担当:荻山)

 

 

引き続き、沢山のご応募、お待ちしています!

2020年9月11日 (金)

一緒に創ろう!個人参加の話③ ざきりんさんの話・どういう稽古場にしてきたいか・参加者に期待すること

八王子学生演劇祭制作・広報の荻山です。

 

 

前回に引き続き、「一緒に創ろう!個人参加」の対談。今日は最終回です。前回はこちら。2回目はこちら

 

 

八王子学生演劇祭2020 出演団体・個人の募集はこちら

上演日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

Photo_20200712125701

デザイン:こばやし帝国

 

 

 

<お話をする人のプロフィール>

中込 遊里(なかごめ ゆうり)

2_20200617102401

1985年日野市生まれ。都立八王子東高校出身。日本大学芸術学部在籍中、演出と演技を中心に学ぶ。卒業制作公演「夏の夜の夢」(作・シェイクスピア)では歴代最高の動員数を記録。大学在籍中に「鮭スペアレ」旗揚げ(2006年~)。シェイクスピアなどの古典作品を、生演奏の音楽劇として演出する。2014年・2015年「利賀演劇人コンクール」奨励賞受賞。2016年より立川市の文化創造施設「たちかわ創造舎」に劇団の拠点を構え、中高校生と演劇創作する「たちかわシェイクスピアプロジェクト」を開始。これまでのワークショップ参加者は150名を超える。その場に集う人々の力をどこまでも信じることから作品を編み出すことをモットーとする。

 

 

清水 いつ鹿(しみず いつか)

S__57221235

撮影:木村護

東京都中野区出身。小中高と9年間演劇部に所属。日本大学芸術学部演劇学科演技コース在籍中、「鮭スペアレ」に入団し、以来俳優として活動を続ける。同団体には第2回公演以来全作品に出演。劇団の看板として、安定した低音声で劇世界の根底を支える。2017年より「たちかわシェイクスピアプロジェクト」でのワークショップ講師も務める。

 

 

宮崎 悠理(みやざき ゆうり)

S__134250501_20200902074901

大阪府東大阪市出身。桜美林大学卒業。高校は大阪市立の演劇学科を卒業。現在はフリーの俳優として舞台を中心に活動しており、コンテンポラリーダンス作品や映像作品にも出演している。また、演劇を用いたコミュニケーションワークショップのファシリテーターとしての活動に注力しており、小学生から高校生を対象にコミュニケーション能力向上を目的としたワークショップを都内外問わず実施している。

 

 

 

今年はどういう作品づくりを目指すのか、演劇祭の総合ディレクターであり、「一緒に創ろう!個人参加」の演出を行う中込遊里さん(以下、中込)、演出助手の清水いつ鹿さん(以下、いつ鹿)、宮崎悠理さん(以下、ざきりん)からお話を伺いました。

 

 

 

― 今回は初めて演出助手という形で、ざきりんさんに参加してもらうのですが、どういう経緯でそうなったのですか?

中込:私は年間で沢山ワークショップをやっているんですが、専門的にそういう勉強をしたことはなくて。ざきりんは、ワークショップファシリテーターの仕事をしていて、そういう部分に興味がある人と一緒に仕事をしたいと考えて声をかけました。

  

― どんな部分に期待していますか?

中込:年齢が私と参加者たちの丁度中間なので、視点や感覚の違いを基に、作品に切り込んでくれる事を期待しています!

  

ざきりん:なるほど。初めて聞きました(笑)。

 

いつ鹿:今、初めて(笑)。

 

ざきりん:はい(笑)。

 

― 普段は、どのような活動をされているんですか?

ざきりん:今、小学校や中学校で、演劇を用いた授業の一環として、コミュニケーションワークショップを行っています。

 

― 楽しそう。でも、演じること、というのは子供達にはそんなに馴染みがないですよね?

ざきりん:うんうん。演じるとなるとやっぱり恥ずかしがる子供達もいるんですが、みんなを巻き込んで、演劇創作を一緒に行う。そうすると、いつもとは違うコミュニケーションが生まれて、とても楽しいです。

  

― なるほど。ざきりんさんは、いつから演劇を始めたのですか?

ざきりん:私は高校から演劇をはじめたんですが、演劇部ではなく演劇学科からスタートしました。舞台の事を知らない中で演劇を始めたので、楽しめなくて、1年間荒れに荒れた生活を送り・・・。

  

いつ鹿:荒れに荒れた(笑)。

   

ざきりん:本当に、演劇、大嫌い。と、その頃は思っていて。恥ずかしくて仕方がなくて、演劇(笑)。

  

中込:そんなに(笑)。

   

ざきりん:でも高校で演劇学科に入ったから、3年間は演劇をやらないといけない。どうしようって。

  

中込:でも、今も続けてるんだよね、演劇(笑)。

  

ざきりん:そうなんです(笑)。

  

いつ鹿:何で続けようと思ったの?

  

ざきりん:高校2年生のときに、それまで学校で教わっていた演劇とは、違うタイプの演劇を教える講師の人が来て、その人のワークショップを受ける機会があったんです。そうしたら、その内容にはまってしまって。

  

― 演劇も色々な種類がありますからね。

ざきりん:そうなんです。演劇って本当に沢山の種類があって、1つの考えに固執しないって凄く大事だなって思っていて。演劇には、演劇を嫌いになってしまいやすい、危うさもある。でも演劇でしか自分のことを知ることができない。自分を知って、他者を知って、価値観を知って、話を擦り合わせる事ができるようになる、合意形成がとれるようになる、そのことを高校2年生の時に知ることができて。

  

中込:いい出会い。

 

ざきりん:そして大学に入ってからは、お客さんからお金を頂いて活動をするようになった。そうすると高校の時に感じていた、みんなで作る楽しさだけではなく、演劇は個人作業も多いということを知った。ちゃんと役のことを考えて、作戦を立てて稽古に臨む。そういう孤独な時間も演劇にはあって、それを楽しめたことが、今まで演劇を続ける糧になっている。

 

 

_200824_7

 

 

ざきりん:演劇を楽しめた瞬間が、15歳から25歳くらいの時にあったのは、私にとって貴重な経験だったと思っています。これからどう演劇と付き合っていくのか。このあと演劇を続けなくても、演劇から得たものは大きい。でも、演劇を続けるのなら、みんなでつくる楽しさだけじゃない、何かもう一つ自分の中で楽しいと思えることを見つける必要がある。その楽しさを参加者と一緒に見つける作業が、この個人参加の活動の中で出来たらと思っています。

   

― 確かに若い時期に、色々な価値観に出会うのは大切だと思います。

中込:思い返すと、去年参加してくれた人達は、演劇に凄くこだわりがある人が多かった。「演劇は好きだけど続けていけるのか」、「演劇とどのような関わり方をしていけばいいのか」を考えている人達と一緒に、とても刺激的な作品創りができた。やっぱり演劇は楽しいから、続けて欲しい。演劇と長く付き合っていける環境を作るのが私の目標で、この個人参加の活動はその目標につながっていると考えています。

  

 

  

― いつ鹿さんは、今年はより演技の方をサポートしていく形になるんですか?

中込:俳優だからこそわかる細かい部分をアドバイスしたり、一緒に表現方法を考えたりという部分を、サポートしてもらおうと思っています。ただ演技全般に関しては、〇〇メソッドみたいな訓練は行わない予定です。

 

― どんな演技を参加者に求めるのですか?

中込:他者と関わるための手段としての演技を発見してほしい。日常生活で他者と活き活きと関わることってけっこう難しいじゃないですか。でも、演技を通せば、不思議と人にうまく何かを伝えることが出来るような気がするし、相手の言葉を聞くことの大切さがわかったりもします。戯曲にある事を表現するのはもちろん、その上で活き活きと舞台上にいられるための演技を一緒に考えたい。

 

― とすると、どのようになっていくんですか?

中込:その為には、即興が大事だと思っていて。即興の比率を上げていくと、作品はリアリティに寄っていく。ファンタジーになりにくいやり方なんだけど、でも最終的にはファンタジーにする。ファンタジーによって、家族というファンタジーを語らない。そういう事をやりたい。

  

― ファンタジーによって、家族というファンタジーを語らない。もう少し教えてください。

ざきりん:自分を隠すための小手先をあまり使わず、自然に舞台上にいられることを目指す、みたいな。

  

中込:そうそう!伝わってる!自分を厚塗りして舞台に立つわけではなく、自分の本名で堂々と舞台に立てる感じにしたい。

  

ざきりん:土台みたいなのがないと、演じるのは難しくて。自分を演じる上で、やっぱり土台は必要で。でも土台の上では裸。そこに色々な衣装を着せたくない。

 

― なるほど。

中込:土台がないと創作じゃなくなっちゃうからね。創作を通して、自分じゃないものを演じているはずなのに、すごく楽だなって感じられるといいなって。その時に、今回、家族という仕組みを使う。カリソメの家族になる、みんなで一緒に舞台上で暮らすぞ、みたいなことをしたい。もちろん、家族だからって一緒に暮らしません、っていう結論になるかもしれないけど。

  

― なるほど。

中込:なので進め方としては去年と一緒で、まずはみんなで家族について考え、話すところからスタートする。集まってくれた人の適正を見ながら、役割を割り振っていこうかなと。

 

― なるほど。

中込:そして、前回も即興の要素をかなり取り入れたんだけど、即興で作ったものを台本にするという事が多かった。今年は、本番、舞台上で即興で演じるシーン、というのが増えるかなと思う。

  

― なるほど。

中込:さっきから、なるほど、しか言ってないですけど。

 

― すみません・・理解が追い付かず。。

中込:でもこの話って、きっと言葉じゃうまく伝わらないので、参加者には言わないつもりです。

  

― ん・・?あれ?じゃあ、この話は書かない方がいいですか?

中込:・・・

  

― インタビュー・・・なのですが・・・ ?

中込:おまかせします!

  

  

_200824_5

  

  

 

―  最後に、どんな人に参加してほしいですか?

中込:悩んでいる人。

  

いつ鹿:危ない。同じこと言いそうだった(笑)。

  

中込:演劇が辛い、嫌いって人が来てくれたら、好きにさせてあげることはできないけど、嫌いでいても良いって状況はつくってあげられる。私も昔は嫌いな時期があったけど、今は好きだし。辛さを軽減するための手伝いは出来るかなって。

  

ざきりん:私は、家族にあまり想いが無い人に来て欲しい。自分の家族って普通だって思う人が多い気がして。でもそれは人から見ると普通じゃない。他の人と、自分の家族とは違うから。自分の家族が普通だよって思う人と、実は普通じゃない部分を考えていく事が出来たら良いな、と。

  

いつ鹿:私は、逆に、自分の家族に違和感がある人に来てほしい。家族ってなんでこうなんだろう。理想の形はあるけど、そうはなれない。悩んでしまう。自分に対して怒ってしまう。でも悩んでもいい、怒ってもいい、理想の形とズレがあってもいい。一緒に演劇創作をすることで、そういう風に考えられるようになるんじゃないかな、と思います。

 

 

 

終わりです。

わからないこと、聞いてみたいことがありましたら、ぜひ、下記までお問い合わせください。

geishin78@hachiojibunka.or.jp(担当:荻山)

 

 

沢山のご応募、お待ちしています!

一緒に創ろう!個人参加の話② サザエさんとガラパゴス家族

八王子学生演劇祭制作・広報の荻山です。

 

 

前回に引き続き、「一緒に創ろう!個人参加」の対談2回目です。前回はこちら

 

 

 

八王子学生演劇祭2020 出演団体・個人の募集はこちら

上演日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

Photo_20200712125701

デザイン:こばやし帝国

 

 

 

 

<お話をする人のプロフィール>

中込 遊里(なかごめ ゆうり)

2_20200617102401

1985年日野市生まれ。都立八王子東高校出身。日本大学芸術学部在籍中、演出と演技を中心に学ぶ。卒業制作公演「夏の夜の夢」(作・シェイクスピア)では歴代最高の動員数を記録。大学在籍中に「鮭スペアレ」旗揚げ(2006年~)。シェイクスピアなどの古典作品を、生演奏の音楽劇として演出する。2014年・2015年「利賀演劇人コンクール」奨励賞受賞。2016年より立川市の文化創造施設「たちかわ創造舎」に劇団の拠点を構え、中高校生と演劇創作する「たちかわシェイクスピアプロジェクト」を開始。これまでのワークショップ参加者は150名を超える。その場に集う人々の力をどこまでも信じることから作品を編み出すことをモットーとする。

 

 

清水 いつ鹿(しみず いつか)

S__57221235

撮影:木村護

東京都中野区出身。小中高と9年間演劇部に所属。日本大学芸術学部演劇学科演技コース在籍中、「鮭スペアレ」に入団し、以来俳優として活動を続ける。同団体には第2回公演以来全作品に出演。劇団の看板として、安定した低音声で劇世界の根底を支える。2017年より「たちかわシェイクスピアプロジェクト」でのワークショップ講師も務める。

 

 

宮崎 悠理(みやざき ゆうり)

S__134250501_20200902074901

大阪府東大阪市出身。桜美林大学卒業。高校は大阪市立の演劇学科を卒業。現在はフリーの俳優として舞台を中心に活動しており、コンテンポラリーダンス作品や映像作品にも出演している。また、演劇を用いたコミュニケーションワークショップのファシリテーターとしての活動に注力しており、小学生から高校生を対象にコミュニケーション能力向上を目的としたワークショップを都内外問わず実施している。

 

 

 

今年はどういう作品づくりを目指すのか、前回に引き続き、演劇祭の総合ディレクターであり、「一緒に創ろう!個人参加」の演出を行う中込遊里さん(以下、中込)、演出助手の清水いつ鹿さん(以下、いつ鹿)、宮崎悠理さん(以下、ざきりん)にお話を伺いました!

 

 

 

― 今回の八王子学生演劇祭「一緒に創ろう!個人参加」での作品タイトルですが、『ガラパゴス家族』ということで、家族に焦点があたるのかなと思っています。どうしてこのタイトルにしたのでしょうか。

中込:うーんと。

  

― どうしてもタイトルを『ガラパゴス家族』にしたい、という話だったかと思うのですが。

中込:えーと。

  

いつ鹿:きっと、思いつき、と、思い込みだったんじゃないかな(笑)。

  

ざきりん:すごい言われよう(笑)。

  

中込:ねえ、こういうインタビューって、普通、誰かがフォローしてくれるんじゃないの(笑)。

  

いつか:自分で自分を守るしかない(笑)。

  

一同、笑う

  

中込:家族をテーマにしたのは2つ理由があります。まず、いま外出自粛が続く中で、家族と、家族じゃない人の人間関係が切り分けられてしまったなと。家族と過ごす時間も増えたし。1人で暮らしている場合も含めて、家族というものを考えざるを得ない状況になったなって。それを今回の創作のスタートにして、みんなで考えたいなと思いました。

  

― 確かに、家族と過ごすことが増えました。

中込:もう一つは、去年の個人参加枠では、「どこでもないなんでもないコミュニティとファンタジー」というテーマがあった。そのテーマには引き続き興味がある。演劇創作を行うときに、何にも縛られない、名前も付けられないようなコミュニティができたら楽しいと思う。それを考えるにあたって、家族というテーマは、とてもヒントになる。

 

― なるほど。そういうことを踏まえてもう少し聞かせてください。家族を題材にした作品ってものすごく沢山あると思うのですが、今回はどのようにこのテーマに切り込んでいく予定ですか?

中込:え・・どうなるんだろう。ふふ(笑)。

  

― えっと・・どうなると思いますか、いつ鹿さん。

いつ鹿:なるほど、今日ここに呼ばれたのは、こういう質問を私に丸投げをする為だという事がわかりました。

  

一同、笑う

 

 

 

_200824_2

 

 

  

いつ鹿:『ガラパゴス家族』というタイトルからは、例えば昭和から脈々と続くホームドラマみたいな感じは受けない。おじいちゃん、おばあちゃん、おとうさん、おかあさん、猫のタマ、という感じではなく、家族の固定概念を壊すような作品になるのではないかなと。

  

中込:そうそう。

  

いつ鹿:でも逆に、みんなが想像できる家族、サザエさん、みたいな。そこをスタートにしてもいいかもしれない。

  

― 確かに、色々な切り口が想像できますよね。ちなみに、『ガラパゴス』という言葉を使ったのは、どのような意図があるんですか?

一般的に「ガラパゴス化」というと閉鎖的というマイナスイメージがありますが、ガラパゴス諸島では閉鎖的ゆえに生物が独自の進化を遂げたという面白さがあります。独自の進化を遂げるって、未知でワクワクしませんか。その独特さと、去年からの創作テーマ「どこでもないなんでもないコミュニティ」が結びつきました。

 

― では、独自の進化を遂げた家族の話、という感じですか?

そうなるのかはまだわからないんですけど、まずは参加者のみなさんと話しながら家族についての思考を網の目のように広げていき、集まった人たちでの独自の家族作りをしていきたいです。ただ、今私が妄想しているのは、社会をよりよくするための、立派な社会構成員としての家族の形を考えるというよりは、より個的な、ガラパゴスの名前の通り閉鎖的な家族像なんですよね。閉じていくことには良い面も悪い面もあって、その両方を視野に入れて、どちらかを見て見ぬふりをしないように、家族を形成していきたい、というようなことを思ってます。

 

― 確かに、考えてみると家族というのは、「ガラパゴス化」が起こりやすいんですかね。家族ごとに、独自のルールや価値観をいっぱい持っているという印象があります。

中込:「ガラパゴス化」が起こりやすい理由は、やはり家族だけで一緒に暮らす時間の長さが大きいなと思います。でも、どうしても無視できないのが血の繋がり。血の繋がりというのは家族を語る上でやはり、とても大きな要素かなと思います。

 

― ああ、血の繋がり。

中込:血の繋がりがあるから家族。血の繋がりは選べない。でも、血が繋がっているから、一緒にいるべき?その考え方に安住していいのか?ということは、誰でも思っているんじゃないかと思います。

 

― なるほど。

中込:さっき、いっちゃん(いつ鹿さん)がサザエさんの話をしていたけど、サザエさんは今の時代を全く反映していないのに、いつまでも放送されている。それは需要があるってことですよね。私もつい、サザエさんを観てしまう。それに加えて、サザエさんの家族に憧れがあって、サザエさんの家庭の一員として生活してみたと思ってしまうんだけど、実際にそんなことがあったらすごく束縛されて、自由には生活できない。自由に生活したいのに、サザエさんに憧れるって不思議な感じもするけれど、でもこの引き裂かれ方って、誰もが思っている事なのかなと。それに対して、一歩踏み出して新しい家族をつくり出そうとしている人は、あまりいないんじゃないかな。

 

― 答えがなさそうですね。

中込:そうね。そういう事を参加者と話をしながら創作の核を作っていく。私だけではわからない感覚を持ち寄って、話し合いが出来ると豊かだなって。

  

ざきりんさん:おもしろそう。

  

 

 

今日はここまで。

次回は最終回。ざきりんさんの話、どういう稽古場にしてきたいか、参加者に期待すること、の3つについてです。

お楽しみに!

 

2020年9月 2日 (水)

一緒に創ろう!個人参加の話① 「一緒に創ろう!個人参加」って、何?

八王子学生演劇祭制作・広報の荻山です。

  

 

 

先日は「課題戯曲に挑戦!団体参加」で、今年新たに設定した課題戯曲、5本を紹介いたしました。

今日からは全3回に分けて、「一緒に創ろう!個人参加」の話をしていきます。

   

 

 

八王子学生演劇祭2020 出演団体・個人の募集はこちら

上演日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール) ※上演形式については変更する可能性があります。

Photo_20200712125701

デザイン:こばやし帝国

 

 

 

 

 

 

今年はどういう作品づくりを目指すのか、演劇祭の総合ディレクターであり、「一緒に創ろう!個人参加」の演出を行う中込遊里さん(以下、中込)、演出助手の清水いつ鹿さん(以下、いつ鹿)、宮崎悠理さん(以下、ざきりん)にお話を伺いました!

 

 

<プロフィール>

中込 遊里(なかごめ ゆうり)

2_20200617102401

1985年日野市生まれ。都立八王子東高校出身。日本大学芸術学部在籍中、演出と演技を中心に学ぶ。卒業制作公演「夏の夜の夢」(作・シェイクスピア)では歴代最高の動員数を記録。大学在籍中に「鮭スペアレ」旗揚げ(2006年~)。シェイクスピアなどの古典作品を、生演奏の音楽劇として演出する。2014年・2015年「利賀演劇人コンクール」奨励賞受賞。2016年より立川市の文化創造施設「たちかわ創造舎」に劇団の拠点を構え、中高校生と演劇創作する「たちかわシェイクスピアプロジェクト」を開始。これまでのワークショップ参加者は150名を超える。その場に集う人々の力をどこまでも信じることから作品を編み出すことをモットーとする。

 

 

清水 いつ鹿(しみず いつか)

S__57221235

撮影:木村護

東京都中野区出身。小中高と9年間演劇部に所属。日本大学芸術学部演劇学科演技コース在籍中、「鮭スペアレ」に入団し、以来俳優として活動を続ける。同団体には第2回公演以来全作品に出演。劇団の看板として、安定した低音声で劇世界の根底を支える。2017年より「たちかわシェイクスピアプロジェクト」でのワークショップ講師も務める。

 

 

宮崎 悠理(みやざき ゆうり)

S__134250501_20200902074901

大阪府東大阪市出身。桜美林大学卒業。高校は大阪市立の演劇学科を卒業。現在はフリーの俳優として舞台を中心に活動しており、コンテンポラリーダンス作品や映像作品にも出演している。また、演劇を用いたコミュニケーションワークショップのファシリテーターとしての活動に注力しており、小学生から高校生を対象にコミュニケーション能力向上を目的としたワークショップを都内外問わず実施している。

 

 

 

 

 

― まずは「一緒に創ろう!個人参加」とは、どういうものなのかについてお聞かせください。

中込:団体に所属していなくても演劇祭に参加できる仕掛けを作りたいと考えていました。去年、私が演劇祭の総合ディレクターに就任した時に、個人でも参加ができる枠を作ろうと提案しました。
 

― 一昨年までは、団体参加のみでした。

中込:そうそう。あと、若い世代は意外と他者と出会う機会が少ない、と、ずっと感じていました。知らない人同士が集まって、演劇創作を通してコミュニケーションを行う。それは本当に特別なことで、普段とは違う自分が出せたりする。

 

― この演劇祭のテーマであり、キャッチコピーでもある、「遠くまで行こう」という言葉にも繋がる考え方です。

中込:うんうん。遠くまで行くために「課題戯曲に挑戦!団体参加」では、優れた課題戯曲との出会いを用意しています。「一緒に創ろう!個人参加」では、演劇という共通の背景がある、同じ世代の仲間や、私たち大人、いつもとは違う自分と出会って欲しいです。

 

 

 

_200824_13

八王子学生演劇祭2020キャッチコピー

 

 

 

― ここからは、いつ鹿さん、ざきりんさんにも加わって頂いて、去年のことを少し振り返ってみたいと思います。

ざきりん:私は、去年はまだ関わりがなくて。

 

― そうでした。

いつ鹿:私も去年はまだ役割があったわけではないのですが、稽古場にいる大人が演出の中込さん1人だったので、サポートとして参加していました。

 

ざきりん:どんなことをしていたんですか?

 

いつ鹿:うーん。本当に色々なことをやりましたね・・・。特に忙しかったのが本番の前日と当日。劇場に入って、中込さんは全体の演出に集中せざるを得ないので、それを補う細かい演技指導を私が担当しました。

 

ざきりん:じゃあ、悩んでいる人を見つけては、声をかける、みたいな。

 

いつ鹿:そうそう。例えば、初々しい2人の男女が、雨の中で告白をするシーンがあって、演じる2人がとても悩んでいて。その時は、かなり具体的に演技指導をしました。

 

ざきりん:なるほど。

 

いつ鹿:後は、ここは上手じゃなくて、下手から出た方がいいよ、とかそういう細かいことも。

 

ざきりん:出はけのアドバイスまで(笑)

 

いつ鹿:そうです(笑)

 

中込:本当に、助かったよ~。

 

 

 

_200824_10

適切な距離をとってお話をしました。 

 

 

 

― 去年は「Fwd:百歳まで生きたら」というタイトルで、百歳まで生きるということを参加者と一緒に考えました。

中込:生きるとは、死ぬとは、正解がないことを話し合う。話すだけではなく、そこから演劇創作する、それがとても大事だった。

 

いつ鹿:演劇創作に入るまでの時間がたっぷりあって、それが良かった。

 

中込:象徴的だったのが、バナナのシーンかな。

 

ざきりん:なんですか?それ。

 

いつ鹿:突然、中込さんが言い始めたんです。最後のシーンは、天井からバナナが釣り下がっていたら良いと思うんだけどって。

 

中込:そうそう。本番の3日前に、天井から吊るされたバナナを取る、というシーンを追加したんだけど、それはいったい何の意味があるんだろうというのを、私を含めてみんな発見できなくて(笑)。

 

いつ鹿:で、みんなわかんなくて、え?ってなって。黄色い靴を履いてた参加者に、靴を借りて、今、この靴がバナナです。って。

  

ざきりん:ええええ!

 

中込:天井からバナナが1本降りて来るから、言葉を使わずにバナナを取ってくれ、と参加者にお願いをしました。実際に動いてみて、うーん、ちょっと違うな、と。でも、もう一回やろうって。

  

ざきりん:ひぃぃぃ、恐ろしい(笑)!

 

いつ鹿:私が椅子に上って、その黄色い靴を椅子の上からぶら下げて。みんなでこの靴をバナナだと思って、取ろうって。みんな真面目だから、すごく一生懸命に黄色い靴を取ろうとする、これはなんだろうと思いながら。

  

― 棒の先に靴をひっかけて高さを出したり、色々と工夫していましたよね。

いつ鹿:なるべく高く、と思って。高さは重要だから(笑)。

 

ざきりん:しかしそのシーンの意味は、発案者の中込さんも含めて、誰も知らないという(笑)。

 

中込:結果それは、人類の起源を示唆するシーンになったんです。言葉を覚えて、みんなで喧嘩しながら、協力してバナナを取る。最後、みんなで「バナナ!」と叫ぶと、ご褒美に全員分のバナナが落ちて来る。あー、こういうシーンになったのか、良かったなって。みんな納得できた。

 

いつ鹿:報われて、本当によかった。(笑)

 

 

一同、笑う。

 

 

ざきりん:わからないけどやってみよう、から、ああこれだったんだ、というところに短時間でたどり着くのは大変なことだと思います。でも、最初にたくさん議論をしてたからこそ、たどり着けたのかな、と、聞いていて思いました。

  

中込:本当に、そうだね。たくさん議論した財産が、演劇創作に活きたなと。

  

ざきりん:それを話してなかったら・・・。

 

いつ鹿:誰もついて来なかったかも・・・。

 

ざきりん:わかった!という感覚を、みんなで共有できた経験は、とても良いなあ。

  

中込:私が発見したというより、本当にみんなで答えを、バナナのシーンの解釈を探し当てた。それが本当に良かったなって。

  

ー その後、最後の最後、参加者の1人が前に出てきて喋るシーンも良かったですよね。

中込:かなり上手に演じてくれて。そのセリフも、また別の参加者の1人から出てきたエピソードを基に書きました。

  

「朝目が覚めると、隣に寝ている人がいて、とてもゆったり寝ている人がいて、髪の毛が、とても細くて柔らかくて、私は、その髪の毛を撫でるんですね。

それから、ああ、朝ごはん作ろう、って思って、立ち上がって、もう一度、寝ている人を見て、なんだか、たまらなくなって、それで、拍手をするんです。

起こさないように、でも、とってもたくさん、拍手するんです。」

  

中込:赤ちゃんとして生まれて、歳を重ねていって、でも最後には赤ちゃんに戻る、人は結局愛情で繋がっている。そういう作品にしたかったので、そうなって良かったな、と思いました。

  

― 本当に、良かったです。

中込:たくさん議論して、いっぱい考えて、それによって作品に奥行きが生まれたと思う。なので、今年の作品も、そうなるのかなと思わずにはいられない。(笑)

 

いつ鹿:思わずにはいられない。(笑)

 

中込:そう。(笑)

 

 

 

 

今日はここまで。

次回は、日本の家族のシンボルであるサザエさんと、中込さんがこだわりにこだわった今年の個人参加作品のタイトル『ガラパゴス家族』について話します!

 

 

2020年8月 5日 (水)

課題戯曲の紹介!  第5回 別役実『マッチ売りの少女』

八王子学生演劇祭2020

ディレクターの荻山です。

 

八王子学生演劇祭2020 団体参加の課題戯曲、全7作品を先日公表いたしました。

八王子学生演劇祭2020 参加団体・個人を募集中!

 

その内、今年度新たに課題戯曲となった5作品について紹介していきます。

 

 

Photo_20200712125701

 

 

戯曲を実際に手に取るのは、なかなかハードルが高いなと思います。

そのハードルを越えてもらうためにこのブログでは、「1.作者について 」の章で、どういう作者が書いているのか、どういう人が翻訳しているかを中心に紹介します。

 

また、「2.作品について 」の章では、物語がどのように始まり、どのような登場人物がどくらい出てきて、どのようなことをするのか、そしてどのように終わるのか、を紹介します。

ここに書いてあるのは最低限のことです。少しでも気になったら、ぜひ、戯曲を手にとってみてください!

どれも本当に面白く、とても挑みがいがあります!

  

 

第5回は、別役実 作『マッチ売りの少女』です。

  

  

 

1.作者について

  

別役実

  

別役 実(べっちゃく みのる、べつやく みのる 1937年4月6日 - 2020年3月3日)は、日本の劇作家、童話作家、評論家、随筆家である。名の正式な表記は實。サミュエル・ベケットの影響を受け、日本の不条理演劇を確立した第一人者である。日本藝術院会員。

1968年、『マッチ売りの少女』『赤い鳥の居る風景』で第13回岸田國士戯曲賞を受賞。この時期には「雨が空から降れば」(作曲:小室等)などの詩作もある。

三津田健、中村伸郎、高木均といった俳優がよく別役作品に出演した。1990年代に入ってからは、日本劇作家協会の創立に関わる。平田オリザとの親交も深い。

2003年から2009年3月までは兵庫県にあるピッコロシアターに併設された兵庫県立ピッコロ劇団の代表を務めていた。2013年芸術院会員に選ばれる。晩年はパーキンソン病に罹患し、入退院を繰り返していた。2020年に入って体調を崩し、3月3日に肺炎で死去した。82歳没。
 

 

wikipediaより抜粋

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%88%A5%E5%BD%B9%E5%AE%9F

 

  

  

  

2.作品について

 

初老の夫婦の夜ごとのお茶会に、市役所から一人の女がやってくる。女は昔、七つの時、マッチを売っていた、マッチを売って、自分のスカートの中を覗かせていたと話し出す。そして、それを教えたのは、あなたではないか、あなた達は私の両親なのではないかと言う。女は、外に待たせていた弟も家に入れ、「善良で模範的で無害な」夫婦は、二人を拒むことも受け入れることも出来ず、戦後の混乱と混沌が、闇の中、白々とした朝の中、浮かび上がる。

 

「戯曲を探す 戯曲図書館」 別役実「マッチ売りの少女」より引用

https://gekidankatakago.com/2019-05-23-094351/

 

 

〇登場人物 ※戯曲の紹介順

その弟(文中では、弟)

初老の男(文中では、男)

妻(文中では、妻)

  

 

〇あらすじ ※あくまで戯曲上でおこる出来事の羅列です

 

1.女の回想

登場人物:女

女が、大晦日の晩にマッチを売っていたときの想い出を語る。それは童話『マッチ売りの少女』のようである。

エプロンのポケットいっぱいのマッチがあったが、だれひとり、わずか1シリングのお金も、めぐんではくれなかった。

  

 

2.男とその妻の家 その1

登場人物:男、妻、女

男とその妻は、食事の準備をしながら、食材について、あれはいい、これはダメだと話している。

かみ合っているようで、かみ合っていないような2人の会話。2人とも、飼っていた犬の名前を思い出せない。

そこに、女が訪ねてくる。2人は女を家に招き入れ、お茶に誘う。女は市役所の方から来たという。

 

  

3.初老の男とその妻の家 その2

登場人物:男、妻、女

男と妻は、女を歓迎する。市役所についての思い出を語り、自分たちは善良で模範的な市民であると語る。

2人は女の訪問理由を尋ねるが、女はなかなかその理由を話そうとしない。2人はさらに自分達がいかに親切で、理解があるかを話すが、女はお茶を入れてくれたことへの感謝を繰り返し述べる。

  

 

4.初老の男とその妻の家 その3

登場人物:男、妻、女

男と妻は、訪問理由を知りたくて仕方なくなっている。少し不安そうでもある。男は妻に歌を歌うよう促すが、それを妻は拒む。

ふと、女が、私はマッチを売っていた、と話し始める。それは20年前の出来事で、女はその後、結婚して男の子と、女の子をそれぞれ産んだという。そのうち、女は童話『マッチ売りの少女』を読み、それが自分の話であるということを思い出していったという。

そしてその記憶は、最終的にはマッチの灯りで自分のスカートの中をのぞかせるというものであった。

  

 

5.初老の男とその妻の家 その4

登場人物:男、妻、女

自分はなぜあんなことをしたのかと2人に問いかける女。貧しかったからか、と答える男。あの頃はみんなそうだったと答える妻。

女はその行為を、男に教えられたという。そして、自分は娘である、と告げる。男はそれを否定する。なぜなら、自分の娘は、昔交通事故で死んだからだ。問い詰める女。それを否定する男。やがて妻は、自分の娘ではないと断言はできない、と言い始める。

 

 

6.初老の男とその妻の家 その5

登場人物:男、妻、女

男と妻は、自分の娘が交通事故で死んだときのことを思い出している。思い出すにつれ、妻は、女が自分の娘であるという確信を深めていく。そんなはずはないと男は言う。女は、もはや、2人の娘のようにふるまっている。

そして、自分には弟がおり、外で待たせていることを告げる。困惑する2人。2人には、息子はいなかったからだ。

  

  

7.初老の男とその妻の家 その6

登場人物:男、妻、女、弟

弟が家に招き入れられる。弟の口数は少ない。シャイな性格だ、と、女は言う。だが、弟はだんだんと饒舌になってくる。

弟は、自分の親、つまり男、と、妻の昔の話をはじめる。しかし、どうも弟の話と、男と妻の記憶は一致しない。

男は女に、自分に息子はいなかったと、強い口調で伝える。なおも弟は、過去の話を続ける。それはやはり、男と妻の記憶とは一致しない。その内、弟は自分が男に暴力を受けていた、と告げる。男はそれをさらに強く否定する。

女と弟は、自分たちはそのことを恨んでいない、と話す

  

 

8.初老の男とその妻の家 その6

登場人物:男、妻、女、弟

弟は上半身にある痣をみせる。男と妻は、観念したかのように、息子の存在をみとめ謝罪と、償いの意思を示す。

女は、ただ自分たちの存在を認めてほしかったのだ、自分の子供たちも実は家の中に入れていたのだ、と告げる。

そんな2人を、家から追い出そうとする男。妻もそれに賛同する。子供たちにあってほしいと女はすがる。

 

  

 

9.初老の男とその妻の家 その6

登場人物:男、妻、女、弟

突然、女はテーブルに突っ伏して眠ってしまった。泣いているようである。そういうことはよくあるそうだ。

男と妻は、弟に、本当にあなたは自分たちの息子なのかと、再度問いかける。しどろもどろになる弟。

ふとした瞬間、男と妻は、虚ろになってしまう。そして、女や弟、その子供たちを家に泊めてあげることにする。

  

 

10.初老の男とその妻の家 その7

登場人物:男、妻、女、弟、市役所から男(声のみ)

市役所から男が訪ねてきて、盗難、火の元の注意をする。男と妻は、自分たちの子供がぐっすりと寝ていることを告げる。

市役所から来た男が立ち去ると、女が目を覚ましている。女は、弟がビスケットをいくつ食べたかを尋ねる。そして、2枚のビスケットを食べたことに激昂する。動揺する、男と妻。女は弟をきつく責め続ける。みんなが空腹に耐えているのに、なぜ自分だけ食べるのか、と。

女があまりにひどく弟を怒鳴りつけるため、男とその妻は、弟を庇うが、女の怒りは収まらず、自分を深く卑下し、周りを罵倒し、弟の頭を床に打ち付ける。やがて女の言葉、両親への謝罪の言葉に代わり、マッチを擦る音への恐怖心の吐露へと変わっていく。

 

 

11.初老の男とその妻の家 その7

登場人物:男、妻、女、弟、男の声(声のみ)

子供たちの寝息が聞こえなくなった、と、男の声がする。女は、『マッチ売りの少女』の最後、翌朝、死んだ少女が発見されるくだりを話す。

 

  

 

おわり。

 

 

 

八王子学生演劇祭2020の出演団体募集中です!

詳しくはこちら

 

 
八王子学生演劇祭2020とは

2016年から八王子市芸術文化会館(いちょうホール)にて開催している、10代から20代半ばの若者が主役の演劇祭。毎年12月、八王子市内外で活動している複数団体・個人による公演を実施している。2019年からは総合ディレクターを起用。課題戯曲への挑戦や、市民や観客を巻き込んで行う創作劇など、出演者がより輝く舞台づくりを通して、広く演劇文化の普及に努めている。

 

日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

 

twitter:@hachioji_engeki

2020年8月 3日 (月)

課題戯曲の紹介!  第4回 山内晶『マイアポカリプス』

八王子学生演劇祭2020

ディレクターの荻山です。

 

八王子学生演劇祭2020 団体参加の課題戯曲、全7作品を先日公表いたしました。

八王子学生演劇祭2020 参加団体・個人を募集中!

 

その内、今年度新たに課題戯曲となった5作品について紹介していきます。

 

 

Photo_20200712125701

 

 

戯曲を実際に手に取るのは、なかなかハードルが高いなと思います。

そのハードルを越えてもらうためにこのブログでは、「1.作者について 」の章で、どういう作者が書いているのか、どういう人が翻訳しているかを中心に紹介します。

 

また、「2.作品について 」の章では、物語がどのように始まり、どのような登場人物がどくらい出てきて、どのようなことをするのか、そしてどのように終わるのか、を紹介します。

ここに書いてあるのは最低限のことです。少しでも気になったら、ぜひ、戯曲を手にとってみてください!

どれも本当に面白く、とても挑みがいがあります!

  

 

第4回は、山内晶 作「マイアポカリプス」です。

 

  

 

1.作者について

  

山内晶

  

キリグス主宰

歌舞伎女子大学メンバー

以上2つの団体の全作品の脚本・演出担当

日本大学芸術学部卒業/青年団演出部所属

ロマンかロマンスかロマンチックがそこにある舞台芸術を作るべく、そのとき感銘を受けた文化(口承文学、伝承、クラブミュージック、歌舞伎、人形浄瑠璃、落語、漫画、アニメ、ファンタジー小説、etc)を編み込み、独特の世界を作り出す

  

<受賞歴>

AnK『ヘナレイデー』が2014年度佐藤佐吉賞最優秀演出賞

AKB ShortShorts project 映画『9つの窓』にて脚本提供をした『candy』がベスト作品大賞を受賞

『白痴をわらうか』が第17回AAF戯曲賞の特別賞を受賞

『朽ちた蔓延る(くちたはびこる)』が第18回AAF戯曲賞の大賞を受賞

 

〇公式HPより抜粋

http://wearekiligs.com/about/yamanouchi/

 

   

  

2.作品について

“なんで出ていかないんだろう”をテーマに架空の衰退していく部族の集会を占い師の演説という形で描く一人芝居。

 

〇CoRich舞台芸術 beta   改名記念公演「キリグス」公演ページより引用

https://stage.corich.jp/stage/89742

 

  

〇登場人物 ※戯曲の紹介順

話者・ワタンシ

1人芝居が可能)

  

 

〇あらすじ ※あくまで戯曲上でおこる出来事の羅列です

 

1.まくらばなし

話者が現れ、下記を伝える。

・南から来たヌーリア人と、北らか来たタジカン人が移住先を奪いあい争っていると、土地が大きく盛り上がり顔の形を成し、顔が、喧嘩と畑は、鼻の上ではなくほっぺでやるよう伝えた。(タジカヌーリアン人の創世記)

・登場人物は、半年前に失踪した占い師のワタンシ、ワタンシが唯一心を通わせるアナタン

・物語は鼻の上の集会場、タジカヌーリアン人の収穫祭の日からはじまる

 

 

2.大移動プレゼンテーション開会宣言

 ワタンシが失踪から帰ってくる。ワタンシは覚悟をもち、主張をはじめる。我とあなたとアナタンのことを、語る。

 

 

3.予言編

ワタンシは、この土地を捨てて、外の世界へいこう、と呼びかける。失踪していた時期の話をはじめる。

 

 

4.おいたち編

まず、ワタンシが自分のことを語る。自分の性格、過去の重大だけどささやかな罪など。

 

 

5.酋長喧嘩編

西の地に移り住め、という意味ありげな声を聞いた半年前。アナタンの命令で、それを酋長に伝える。

しかしどうやら信じてもらえなかったようだ。

 

 

6.アナタン来ない編

ワタンシが、アナタンと話している。(戯曲上では、アナタンが存在している体で、ワタンシが1人で演じている)

ワタンシは、西の山にいくとアナタンに伝え、いっしょに行こうと誘うが、断られる。

 

 

7.下山編

1人、旅立つワタンシ。盗んだバイクで走り出す。出がけに、アナタンの家屋を破壊したりする。

 

 

8.ドンガッデン平野編

ドンガッデン平野にたどり着くワタンシ。そこで天の声を聞く。どうしようもない天の声。気が付くと、沼に沈んでいくワタンシ。そこにあらわれるトウモロコシ。ドンガッデン平野は豊穣の地であった。しかし、空腹で死にかけるワタンシ。崖から落ちる。

 

 

9.水中世界溺死寸前編

崖から落ちた先にあったのは、地底湖だった。ワタンシが地底湖で溺れる様をしばし堪能できる。

 

 

10.地底湖民族編

溺れているワタンシ。必死。そこに船がやってくる。船の上には男(ジェロヒロ ※存在する体で演じられる)。

ジェロヒロは、職業は格闘家、趣味は武者修行、母親と2人暮らしであることが明かされる。

 

 

11.地底民族ビザ取得編

ジェロヒロに助けられたワタンシは、役場に連れていかれる。ワタンシを預かるというジェロヒロ。ビザの取得を勧められるワタンシは、リズム試験を受けることになる。

 

 

12.リズム受験勉強編

リズムの練習をするワタンシ。3食風呂付き酒飲み放題。しかし、そんな自堕落で最高な生活は、長くは続かなかった。

 

 

13.ジェロヒロ告白編・外出

ジェロヒロが、突然出かける。連れていかれるワタンシ。

 

 

14.ジェロヒロ告白編・水上ダンスホール

行きついた先は、地底湖がライトアップされたダンスホール。ワルツを踊るワタンシとジェロヒロ。ジャイブを踊るワタンシとジェロヒロ。漂うプロポーズの気配に危機感を感じたワタンシは、リズム試験を大急ぎで受けることにした。

 

 

15.リズム試験編

リズム試験を受けるワタンシ。合格する。しかし通達の文字には、ビザは出せないと書かれている。ワタンシに、山の上から故郷をみることを促す通達の文字。

 

 

16.リズム登山編

リズムとヴィジョンに導かれ山を登るワタンシ。その山は、薬剤師のアナタンが作った薬のにおいがした。

アナタンが昔、ワタンシに旅立ちについて言ったことを思い出す。

 

 

17.山頂登頂編

山頂にたどり着くワタンシ。故郷が吹き出物のように見えた。故郷に帰ることにするワタンシ。

 

 

18.民衆説得編

来た道をたどって、故郷へ、アナタンの元へ帰るワタンシ。

しかし、アナタンは故郷を捨てられない。なぜなら、おばあちゃんに恨まれるのが怖い。

どうすれば人の心を動かせるのか、悩むワタンシ。

 

 

19.民衆説得編

アナタンはワタンシに、民族全員を説得できたら、一緒に行くと伝えたという。

ワタンシはこの土地にとどまることの意味を問いかけ、外の世界へと誘う。その声は届いているのだろうか。

 

 

20.採決

ワタンシは、自分と共に今を変えてくれる人はいるか、と問いかける。

 

 

おわり

 

 

 

八王子学生演劇祭2020の出演団体募集中です!

詳しくはこちら

 

 
八王子学生演劇祭2020とは

2016年から八王子市芸術文化会館(いちょうホール)にて開催している、10代から20代半ばの若者が主役の演劇祭。毎年12月、八王子市内外で活動している複数団体・個人による公演を実施している。2019年からは総合ディレクターを起用。課題戯曲への挑戦や、市民や観客を巻き込んで行う創作劇など、出演者がより輝く舞台づくりを通して、広く演劇文化の普及に努めている。

 

日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

 

twitter:@hachioji_engeki

2020年8月 1日 (土)

課題戯曲の紹介!  第3回 三島由紀夫『卒塔婆小町』

八王子学生演劇祭2020

ディレクターの荻山です。

 

八王子学生演劇祭2020 団体参加の課題戯曲、全7作品を先日公表いたしました。

八王子学生演劇祭2020 参加団体・個人を募集中!

 

その内、今年度新たに課題戯曲となった5作品について紹介していきます。

 

 

Photo_20200712125701

 

 

戯曲を実際に手に取るのは、なかなかハードルが高いなと思います。

そのハードルを越えてもらうためにこのブログでは、「1.作者について 」の章で、どういう作者が書いているのか、どういう人が翻訳しているかを中心に紹介します。

 

また、「2.作品について 」の章では、物語がどのように始まり、どのような登場人物がどくらい出てきて、どのようなことをするのか、そしてどのように終わるのか、を紹介します。

ここに書いてあるのは最低限のことです。少しでも気になったら、ぜひ、戯曲を手にとってみてください!

どれも本当に面白く、とても挑みがいがあります!

 

 

3回は、三島由紀夫 作『卒塔婆小町』です。

  

  

 

1.作者について

  

三島 由紀夫

 

1925年(大正14年)1月14日 - 1970年(昭和45年)11月25日)は、日本の小説家・劇作家・随筆家・評論家・政治活動家・皇国主義者。血液型はA型。戦後の日本文学界を代表する作家の一人であると同時に、ノーベル文学賞候補になるなど、日本語の枠を超え、海外においても広く認められた作家である。『Esquire』誌の「世界の百人」に選ばれた初の日本人で、国際放送されたテレビ番組に初めて出演した日本人でもある。

 

代表作は小説に『仮面の告白』『潮騒』『金閣寺』『鏡子の家』『憂国』『豊饒の海』など、戯曲に『近代能楽集』『鹿鳴館』『サド侯爵夫人』などがある。修辞に富んだ絢爛豪華で詩的な文体、古典劇を基調にした人工性・構築性にあふれる唯美的な作風が特徴。

 

〇wikipediaより抜粋

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E5%B3%B6%E7%94%B1%E7%B4%80%E5%A4%AB

  

  

  

2.作品について

「近代能楽集」は、その名の通り、能楽の謡曲を基にして書かれている短編集です。600年以上前の登場人物や物語の背景を借りて、三島の言葉と世界観で再構築しています。

 

  

〇登場人物 ※戯曲の紹介順

老婆

詩人

男A-C

女A-C

巡査

   

  

〇あらすじ ※あくまで戯曲上でおこる出来事の羅列です

 

1.公園の一角 その1

登場人物:老婆、詩人、5組の男女

老婆は公園にいる男女たちを気にせず、たばこの吸い殻を拾っている。

そこに酩酊した詩人がやってきて、その吸い殻をもらい、火をつけてたばこを吸う。

詩人はどうやら、この公園に集う恋人たちを元に詩を創作していたようだが、老婆が現れたことでそれがうまくいかないと伝える。

詩人が恋人たちの崇高さを語り説得するが、老婆は恋人たちが死人に見える、99年生きてなお元気な、自分のほうが生きている、という。

  

 

2.公園の一角 その2

登場人物:老婆、詩人、男、女

男があくびをしたのをきっかけに、恋人たちは口論になり、やがて終電を求めて立ち去る。

老婆はそれをみて、彼らは生き返ったと言い、詩人は花火がきえたのだ、と言う。

老婆は昔、小町と呼ばれていた。しかし、老婆を美しいと言ったものはみな死んでしまったのだ。

老婆は、自分を美しいと言うものは、みな死んでしまうと考えている。

 

 

3.鹿鳴館

登場人物:老婆、詩人、男A、男B、男C、女A、女B、女C

老婆は80年前、深草少尉が自分のところへ通ってきていたころの話をはじめる。

ワルツの音と共に、男女がやってきて踊る。彼らは老婆の声を美しい、老婆を素晴らしい女性だとほめたたえる。

やがて詩人にも、老婆が美しくみえてくる。一緒にワルツを踊る2人。

 

 

4.鹿鳴館 その2

登場人物:老婆、詩人

詩人は突然踊りをやめる。音楽もとまる。何かを言いたそうな詩人を、老婆はいさめる。

しかし老婆の制止を振り切り、詩人は老婆に愛を伝える。詩人の目には、老婆は20歳あまりの女性にみえる。

美しいと言うと、死んでしまう、と老婆は詩人に伝える。しかし詩人は老婆に、美しいと伝え、愛の告白をする。

詩人は老婆に、百年後の再会を約束し、絶命する。

 

 

5.公園の一角 その3

登場人物:老婆、巡査

巡回をする巡査が、詩人の死体をみつけ、そこにいた老婆に話しかける。

老婆は、詩人が酔っ払って口説いてきたが、かまわずにおいたら死んでしまったと伝える。

巡査は部下たちと、詩人の屍を運んでいく。老婆は落ちている吸い殻を拾い始める。

 

 

 

八王子学生演劇祭2020の出演団体募集中です!

詳しくはこちら

 

 
八王子学生演劇祭2020とは

2016年から八王子市芸術文化会館(いちょうホール)にて開催している、10代から20代半ばの若者が主役の演劇祭。毎年12月、八王子市内外で活動している複数団体・個人による公演を実施している。2019年からは総合ディレクターを起用。課題戯曲への挑戦や、市民や観客を巻き込んで行う創作劇など、出演者がより輝く舞台づくりを通して、広く演劇文化の普及に努めている。

 

日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

 

twitter:@hachioji_engeki

2020年7月30日 (木)

課題戯曲の紹介!  第2回 鈴江俊郎『ともだちが来た』

八王子学生演劇祭2020

ディレクターの荻山です。

 

八王子学生演劇祭2020 団体参加の課題戯曲、全7作品を先日公表いたしました。

八王子学生演劇祭2020 参加団体・個人を募集中!

 

その内、今年度新たに課題戯曲となった5作品について紹介していきます。

 

 

Photo_20200712125701

 

 

戯曲を実際に手に取るのは、なかなかハードルが高いなと思います。

そのハードルを越えてもらうためにこのブログでは、「1.作者について 」の章で、どういう作者が書いているのか、どういう人が翻訳しているかを中心に紹介します。

 

また、「2.作品について 」の章では、物語がどのように始まり、どのような登場人物がどくらい出てきて、どのようなことをするのか、そしてどのように終わるのか、を紹介します。

ここに書いてあるのは最低限のことです。少しでも気になったら、ぜひ、戯曲を手にとってみてください!

どれも本当に面白く、とても挑みがいがあります!

  

 

第2回は、鈴江俊郎 作『ともだちが来た』です。

  

  

 

1.作者について

  

鈴江俊郎

  

〇プロフィール

大阪府生れ。大学在学中に演劇活動を始める。

1993年ー2007年まで劇団八時半の主宰として京都で活動。

以来、ほぼ全作品の作演出を手がけ、俳優として舞台にも立つ。

関西劇作家の登竜門だったテアトロ・イン・キャビン戯曲賞やOMS戯曲賞だけでなく、

シアターコクーン戯曲賞、岸田國士戯曲賞、文化庁芸術祭賞大賞(演劇部門)など戯曲賞を受賞。

戯曲は英独露インドネシア語に翻訳され海外でも紹介されている。

 

「office 白ヒ沼」のホームページより引用

https://shiroinuma.wixsite.com/shiroinuma/untitled-c1039

  

 

  

2.作品について

夏。蒸し焼きにされそうな畳の上で男二人がただじゃれあうような会話を楽しんでいる。

大学に入ったばかりの夏休みの里帰り。

久しぶりに会う旧友。

剣道部の友はしかし水も飲んでくれない。

喉は渇くはずなのに。最期は水の中だったから、渇かないとでも言うのだろうか。

架空の竹刀でする試合、死んだ友はやはり最後まで勝てなかった。

「俺のこと忘れないでいてほしいんだよ。」

水も飲まないで彼は消えたのだ。

 

「office 白ヒ沼」のホームページより引用

https://shiroinuma.wixsite.com/shiroinuma/tomodachi

 

 

〇登場人物

 

〇あらすじ ※あくまで戯曲上でおこる出来事の羅列です

 

1.ともだちを待つ

登場人物:私

夏。私は畳の上で、アリを観察したり、どこかから聞こえてくる水の音に耳をすませたりしている。

 

 

2.ともだちがきた。

登場人物:私、友

気が付くと、友が自転車にまたがって部屋にいた。驚く私。

なんで来たのか、いつ来たのか、いつまでいるのか、を聞くが、どうにもはぐらかされてしまう。

友は、自転車で、620キロくらいの道のりを来たという。

靴を玄関においてくる、という友を、思わず叱責してしまう。

 

 

3.ともだちは寝る

登場人物:私、友

友は寝ている。私は、寝ている友に、柿の木がここしばらく実をつけない、という話をするが、友は寝ている。

 

 

4.ともだちは茶を飲まない

登場人物:私、友

私は友に麦茶をすすめるが、友はそれをなかなか飲まない。

友は私の身体をゆっくりと触る。私は、友がきてくれて嬉しいと伝える。

私は、友のお葬式で、ちっとも泣けなかった。

ふざけてお葬式ごっこをする。やがて、真剣に素手の竹刀で剣道をする。

私が勝つ。友は、昔は自分の方が強かったのに、と話す。

私は麦茶をすすめるが、友は麦茶を飲まない。

 

 

5.ともだちは見ている

登場人物:私、友

私はどうやら、部室に女の子を連れ込んでいるようだ。

問答の末、女の子をおしたおす私。

友がそこにやってくる。手には麦茶をもっている。

にらみ合う2人。

 

 

6.ともだちは麦茶をかぶる

登場人物:私、友

私が部室に女の子を連れ込んだ時のことを思い返している。

結婚してみたかった、と、友は言う。死んでも死にきれない、と友は言う。

友には、友がいない。知っていたろう、私に問いかけ、友は自転車に乗って去ろうとする。

 

私は思わず奇声を上げる。私は私で、困っていたのだ。

友は根掘り葉掘り、あの女の子について私に質問をする。

あの女の子のほっぺと、自分のほっぺはどっちが色っぽいかをきく。

私が黙っていると、友はそっぽを向いてしまった。

 

やがて2人は、ありを見ている。ありは、ほこりを食べるのだろうか。

食べるかもしれない、と、私は言う。

何を確かめたくて、俺は死んでしまったんだろうか、と友は言う。

水の音が聞こえる。

 

 

7.ともだちは去る

登場人物:私、友

友は、私の部屋のまわりを自転車でぐるぐるまわっている。

そして自転車にのっていた1週間について話す。私の質問に、友は答える。

 

 

8.ともだちは勝つ

登場人物:私、友

私は、大学でもまだ剣道を続けていることを伝える。だけど上には上がいる。

勝たなきゃ、だめだ、と、友は言う。しばらくいろ、と、私は言う。

再び、架空の竹刀で剣道対決がはじまる。友に反則紛いの攻撃をうけ、私はひっくり返る。

覚えていてほしい、と友は言う。あぶくの音は友の、のどぼとけから聞こえてくるようだ。

 

 

9.ともだちはお茶を飲む

登場人物:私、友

畳の上で寝転がる2人。柿の種のようなものをみながらじゃれあっている。

友は、これは柿の種だと言う。私は、そうではない、と言う。

写真をとろう、と、友が言う。撮影をする。

お茶をくれ、と友が言うので、部屋を出て取りに行く私。そのすきに、友は帰ってしまう。

戻ってきた私は、やがて、素手で剣道をはじめる。

 

終わり

 

 

 

 

 

八王子学生演劇祭2020の出演団体募集中です!

詳しくはこちら

 

 
八王子学生演劇祭2020とは

2016年から八王子市芸術文化会館(いちょうホール)にて開催している、10代から20代半ばの若者が主役の演劇祭。毎年12月、八王子市内外で活動している複数団体・個人による公演を実施している。2019年からは総合ディレクターを起用。課題戯曲への挑戦や、市民や観客を巻き込んで行う創作劇など、出演者がより輝く舞台づくりを通して、広く演劇文化の普及に努めている。

 

日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

 

twitter:@hachioji_engeki

2020年7月27日 (月)

課題戯曲の紹介!  第1回 前田 司郎『うん、さようなら』

八王子学生演劇祭2020

ディレクターの荻山です。

 

八王子学生演劇祭2020 団体参加の課題戯曲、全7作品を先日公表いたしました。

八王子学生演劇祭2020 参加団体・個人を募集中!

 

その内、今年度新たに課題戯曲となった5作品について紹介していきます。

 

 

Photo_20200712125701

 

 

戯曲を実際に手に取るのは、なかなかハードルが高いなと思います。

そのハードルを越えてもらうためにこのブログでは、「1.作者について 」の章で、どういう作者が書いているのか、どういう人が翻訳しているかを中心に紹介します。

 

また、「2.作品について 」の章では、物語がどのように始まり、どのような登場人物がどくらい出てきて、どのようなことをするのか、そしてどのように終わるのか、を紹介します。

ここに書いてあるのは最低限のことです。少しでも気になったら、ぜひ、戯曲を手にとってみてください!

どれも本当に面白く、とても挑みがいがあります!

  

 

第1回は、前田司郎 作『うん、さようなら』です。

  

 

1.作者について

  

前田司郎

  

1977(昭和52)年、東京都五反田生れ。1997(平成9)年、劇団「五反田団」を旗揚げする。2008年、『生きてるものはいないのか』で岸田國士戯曲賞、2009年、小説『夏の水の半魚人』で三島由紀夫賞を受賞。著書に『愛でもない青春でもない旅立たない』『恋愛の解体と北区の滅亡』『グレート生活アドベンチャー』『誰かが手を、握っているような気がしてならない』『大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇』『逆に14歳』『濡れた太陽高校 演劇の話』などがある。

 

※新潮社のホームページより引用

https://www.shinchosha.co.jp/writer/3559/  

  

  

  

2.作品について

おばあちゃんがニコニコしている社会が一番いい。劇団「五反田団」の新作「うん、さようなら」は、作・演出の前田司郎のそんな思いからうまれた。高齢の女性4人が、全編、明るく楽しくおしゃべりする。

  

朝日新聞デジタルより引用(無料部分)

https://www.asahi.com/articles/DA3S13509535.html

 

 

僕は会社に行っているわけではないので平日に散歩する、そうすると周りにはお年寄りが多い。平日に旅もする、そうすると観光地にはお年寄りしかいない。特にお婆ちゃんが多い。お爺ちゃんも少なからず居るが、たいてい仏頂面で、楽しみ方が下手に見える。

お婆ちゃんはオシャレしていて、おしゃべりで、よく笑い、楽しそうで、もうすぐ行ってしまうとは思えない。お婆ちゃんが好きだ。ああなりたい。そうだお婆ちゃんがいっぱい出てくる戯曲を書こうと思ってこの企画を立ち上げた。

まだ書いてないからどんな話になるかわからないけど、お婆ちゃんがいっぱい出てきて楽しそうにしている芝居にしようと思う。

俳優たちはお婆ちゃんじゃないけど、きっと誰の心にもお婆ちゃん的なものが居るはずだから、心のお婆ちゃんと話しあいながらやってみようと思う。

お婆ちゃんメイクをしたりはしません。お婆ちゃん=少女。お客さんもお婆ちゃんになって、お婆ちゃん同士おしゃべりを楽しんで帰るような舞台になったらと思っています。

前田司郎

 

※五反田団「うん、さようなら」特設ページより引用

https://gotanndadan.wixsite.com/kouen-tokusetu

 

  

〇登場人物 ※登場順

久江(松金の教え子)

イネ(今回の旅行の計画をたてる。松金とは戦争より前からの付き合い)

富子(マイペース、久江とはPTAで一緒だった。長い付き合い)

松金(お教室の先生。ずいぶん前に引退)

孫(松金さんの孫)

娘(久江の娘)

  

 

〇あらすじ ※あくまで戯曲上でおこる出来事の羅列です

 

(1)2010年品川駅、改札前

登場人物:久江、イネ、富子、松金

品川駅ホームで待ち合わせをする久江、イネ、富子、松金。

新幹線で熱海へ旅行に行くようだ。

しかし、富子、松金は、時間通りには表れない。

「計画が狂う」と、あせるイネ。言い合っているうちに、高齢の松金が孫に連れられて登場する。

なんとか予定通り、4人は熱海へ出発する。

  

 

(2)1992年 新幹線の中

登場人物:久江、娘

久江は、娘と熱海へ旅行に行くため新幹線にのっている。

久しぶりの2人での旅行にぎくしゃくする会話。

  

 

(3)2010年  ツツジ祭り

登場人物:久江、イネ、富子、松金

ツツジ祭り。久江、イネ、富子、松金は、はしゃいでいる。

出店で売っていた、銀杏の殻で干支の動物を形どった小物が欲しくなる松金。

みんなで止めるが、どうしてもその小物が欲しいようだ。

あきれて、富子、久江はどこかへいってしまう。

松金はイネに、「買ってもいいか?」と聞き、イネは「いいよ」という。

イネ、久江、富子の分も買ってあげようとする松金。

  

 

(4)2017年 斎場

登場人物:久江、富子、孫

松金のお葬式。久江、富子(共に85歳)は弔問に来て、松金の孫と話をする。

孫は、久江と富子に、「5円玉」でつくられた「鎧のようなもの」が、捨てるに捨てられなくて困っていることを相談する。

それに対し、久江、富子は松金が、孫とその母(松金の娘)の生まれた年の5円玉を集めていたこと伝える。

その5円玉で「鎧のようなもの」はできている。

なぜそんなことをするのか、意味がわからない孫。

意味はわからないけど、その数字が愛おしかったのでは、と、久江は孫に伝える。

立ち去る孫。久江と富子は、死後の世界について話をする。

  

 

(5)2010年 旅館

登場人物:久江、イネ、富子、松金

懐石料理を食べるべく、別室に移動しようとする久江、イネ、富子、松金 。

迷宮のような旅館で迷子になる。

迷子になりながらも、4人は一緒に写真を撮ったりする。

  

 

(6)1992年 旅館

登場人物:久江、娘

久江と娘は、一緒にお酒を飲みながら、昔話をしている。

久江とイネは二十歳のころ、男を取り合って大喧嘩をしたらしい。

15、6年ほど口をきかなかったが、やがて久江から連絡し、仲直りしたという。

久江はその男とは結局、結婚しなかった。

男を見る目のない遺伝子があると言う娘。

そんな遺伝子があったら滅びていると言う久江。

  

  

(7)2010年 旅館

登場人物:久江、イネ、富子、松金

懐石料理に文句を言いながら自室に移動しようとするが、迷宮のような旅館で再び迷子になる久江、イネ、富子、松金。

富子は飲んでいる「グルコサミン」の効能について話すが、イネは、グルコサミンを口から飲んでも吸収されないとやんわりそれを否定する。

やがて対立する2人。聞こえないふりをする松金。両方を弁護する久江。

若干言い負けそうな富子の怒りは、やがて久江に向き始める。

すると、突然、松金がバギーをもって走り出す。

ものすごいスピードで、つかまえられない。

なんとか連係プレーで松金を捕まえることができた3人に、松金は、最後の旅行だからケンカしないでほしい、と伝える。

  

 

(8)1992年 旅館

登場人物:久江、娘

久江と娘は眠り支度。真っ暗にすると寝られない、と娘は言う。

うちに泊まりに来るかと久江は誘うが、仕事を理由に娘は断る。

  

 

(9)2010 旅館

登場人物:久江、イネ、富子、松金

眠れない、久江、イネ、富子、松金。

明日は海に行こうなどと話をする。

  

 

(10)2018年 施設のような場所

登場人物:久江、イネ

久江とイネが話をしている。

どうやらイネは、久江のことがよくわからないようだ。

イネは死んでしまった猫のかわりに、猫のぬいぐるみを大切にしている。

しばらく会話がすれちがった後、あんたとは馬が合いそうだ、と伝えるイネ。

あんたとは誰よりも長いつきあいだ、と伝える久江。

おたがいに「さようなら」と言い、別れる。

  

 

(11)1992年 駅のホーム

登場人物:久江、娘

急かす娘。ゆっくりとしか移動できない久江。

久江は何やら拗ねているようだ。

そんな久江を置いて、先の電車で帰る娘。

  

 

(12)2010年 海

登場人物:久江、イネ、富子、松金

久江、イネ、富子、松金は海をみている。

海に沈んでいく夕日をみながら、おしゃべりをする。

  

 

 

おわり。

 

 

 

八王子学生演劇祭2020の出演団体募集中です!

詳しくはこちら

 

 
八王子学生演劇祭2020とは

2016年から八王子市芸術文化会館(いちょうホール)にて開催している、10代から20代半ばの若者が主役の演劇祭。毎年12月、八王子市内外で活動している複数団体・個人による公演を実施している。2019年からは総合ディレクターを起用。課題戯曲への挑戦や、市民や観客を巻き込んで行う創作劇など、出演者がより輝く舞台づくりを通して、広く演劇文化の普及に努めている。

 

日時:2020年12月19日(土)、20日(日)

会場:いちょうホール(小ホール)予定 ※上演形式については変更する可能性があります。

 

twitter:@hachioji_engeki